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YouTubeの「Content ID」活用に関するイベントをGoogleと共同で開催

4月25日、Google渋谷オフィスのイベントスペースで、YouTubeの「Content ID」活用に関する音楽出版社向けのイベント「Music Publisher Masterclass Presented by JASRAC and YouTube-著作権者の収入向上・ベネフィットに向けたContent ID活用戦略-」をGoogleと共同で開催しました。

イベントには、JASRACに著作権の管理を委託している音楽出版社から、役員やマネジメント層を中心に計156人が参加しました。

第1部 YouTubeの概況とContnet IDを活用した使用料分配の仕組み

はじめに、GoogleのYouTube日本音楽責任者である鬼頭武也さんがYouTubeビジネスの概況を説明。その後、Googleの小林奈央さんと髙田明宣さんが、YouTubeにおける著作権保護の仕組み「Content ID」について、基本的な構造から著作権情報の登録の流れについて、解説しました。

YouTubeビジネスの概況を説明する鬼頭武也さん(Google)

続いて、JASRACの宇佐美和男常任理事から、JASRACが2023年からContent IDを本格的に活用していること、「人的照合」「フィンガープリント事業者の活用」「YouTube連絡票」などの手段を用いることでYouTube上で利用されたJASRAC管理楽曲の特定精度を高めていることなどを説明しました。

JASRACの取り組みについて説明する宇佐美常任理事

第2部 パネルディスカッション「著作権者とContent ID、そしてYouTubeの未来」

第2部は、一般社団法人日本音楽出版社協会(MPA)の稲葉豊会長を招き、鬼頭さんと宇佐美常任理事とともに「原盤Content ID登録の徹底」「出版権利情報の徹底と早期投入」「権利競合の早期解消」などのキーワードからトークを行うパネルディスカッションです。



稲葉会長:(MPAによるフィンガープリント事業者への原盤情報提供の取り組みを振り返りながら)YouTubeでの原盤の登録率を上げていくことが業界全体の収益最大化につながると考えている。

鬼頭さん:原盤情報の登録が早ければ、いち早くその情報をJASRACに回すことができる。現在は、JASRACと音楽出版社の連携によってデータが管理されており、速やかに権利主張をいただいている。結果として、早いサイクルで皆さんに対価を還元することができている。

宇佐美常任理事:Content IDへ音楽著作権に関する情報を登録する上で、音楽出版社からの作品届が起点となる。早期投入はここでも重要となる。海外での楽曲の利用に関して、各国の著作権管理団体からJASRACへの著作権料の送金額はこの4年間で約3倍になった。動画配信を中心とした配信使用料の入金が好調である。グローバル・デジタル・サービス・データ交換(GDSDX)システムを通じて、より適正な収益分配の実現に向けた取り組みを推進している。



最後に、出席者から事前に寄せられた質問に対して、鬼頭さんと宇佐美常任理事がそれぞれ回答しました。

左から、鬼頭さん(Google)、稲葉会長(MPA)、宇佐美常任理事(JASRAC)

JASRACは音楽業界の発展に向けて、今後も各ステークホルダーとのコミュニケーションを深めるとともに、委託者の皆さまに対して有益な情報を提供できるよう取り組んでまいります。