学校で音楽を使うときには

入学式で先輩たちが歌を歌ってくれたんだけど、著作権の手続きをしていたのかな?

この場合、手続きしなくていいんだ。
著作権法には、著作権を持っている人の了解をもらわなくても音楽を利用できるケース(※)が決められているんだよ。
学校で音楽を利用する場合はどうだろう?
きちんと理解して正しく音楽を利用してね。

  • ここでは手続きが必要ないケースとして「学校などの授業のための複製」「営利を目的としない演奏・上映」を中心に説明しています。
    ほかにも「個人的に楽しむための複製」や「引用」など著作権法上の条件を満たせば手続きせずに利用できるケースがあります。

学校で歌詞や楽譜をコピーする

歌詞や楽譜をコピーしたり、印刷したりすることは「著作物の複製」にあたり、学校においても、次のような場合は手続きが必要です。

  • 入学式や演奏会、運動会のプログラムなど大量の冊子に歌詞を印刷する。
  • コンクールの課題曲の楽譜をコピーして配る。
  • 学級通信に歌詞や楽譜を掲載する。
このようなケースは手続きがいりません
  • 先生が授業で使うために、歌詞や楽譜をコピーして生徒に配る。
    (市販のワークブックなどは除く)
注意点
授業で必要な部数(1クラス分)を超えてコピーするときは手続きが必要です。

学校でCDやDVDをコピー(録音・録画)する

CDやDVDをコピー・編集したり、動画に音楽を入れたりすることは「著作物の複製」にあたり、学校においても、次のような場合は手続きが必要です。

  • クラブ活動の自主公演でダンス曲や背景音楽として使うためにCDをコピーする。
  • コンクールで演奏する曲のCDをコピーしてクラブのみんなに配る。
  • コンテストに出品する動画に音楽を入れる。
注意点
市販のCDなどを利用する場合は、著作隣接権者(レコード会社・ビデオ会社・放送局・演奏者など)の了解も必要です。
このようなケースは手続きがいりません
  • 授業で生徒に視聴させるため、先生がテレビ番組を録画する。
  • 入学式や文化祭、運動会などで利用するためにCDをコピーする。
注意点
  • 視聴覚教育用のライブラリーにするための録音・録画は手続きが必要です。
  • レンタルCD、レンタルDVD、ダウンロードした音楽の多くは、レンタル店やサイトの利用規約によって、個人的に楽しむ以外の目的で権利者の承諾なくコピーすることはできないとされています。ご利用にあたっては、利用規約をご確認ください。

このほか、個人的に楽しむために録音・録画する場合も手続きの必要はありません。
例:レンタルCDを借りてきて自分が楽しむために携帯端末にコピーする。

学校行事や発表会を録音・録画(ビデオ撮影)する

文化祭や演奏会などのもようを録音したり、ビデオ撮影したりすることは「著作物の複製」にあたり、次のような場合は手続きが必要です。

  • 生徒などに配るために、文化祭のもようを録音・ビデオ撮影する。
  • 学校やクラブのライブラリーに保存するために録音・ビデオ撮影する。
注意点
市販のCDなどを利用する場合は、著作隣接権者(レコード会社・ビデオ会社・放送局・演奏者など)の了解も必要です。

個人的に楽しむために録音・録画する場合は手続きの必要はありません。
例:家族がビデオ撮影し、家で鑑賞する。
(インターネット等で公開する場合は手続きが必要です)

クラブ活動でライブや発表会、ビデオ上映会をする

チケット代をもらったり出演者に報酬を支払ったりして、ライブやダンス発表会、ビデオ上映会などをするときは「著作物の演奏・上映」について手続きが必要です。

注意点
コンクールで、JASRACの管理楽曲を演奏することについては、通常、主催者がまとめて手続きしています。
このようなケースは手続きがいりません

次の3つの条件をすべて満たした場合

  1. 1.入場料など、どんな名目でも来場者から料金をもらっていない。
  2. 2.演奏する人(歌手やバンド)や指揮者などに報酬を支払っていない。
  3. 3. 企業が主催しているなど、営利を目的としたものではない。
例:
文化祭でライブやダンス発表会をする(3つの条件にあてはまる場合)。
入学式や卒業式で演奏する。
放送委員が学校の昼休みに校内放送で市販のCDを流す。
注意点
  • チャリティーコンサートは観客から募金を受け取るので手続きが必要です。なお、JASRACでは寄付先や寄付金額等により、無償許諾や著作物使用料の減額を行っています。
  • 出演者に実際の金額を大きく上回る交通費などを支払っている場合も手続きが必要です。

学校のホームページなどで音楽や動画を公開する

学校のホームページなどでBGMを使ったり、文化祭でのライブのもようを公開したりする場合には、手続きが必要です。

お手続きはこちらへ

(外国曲の歌詞や楽譜を掲載する場合は直接権利者にお問い合わせください)

校歌をホームページに掲載するときはこちらへ
注意点
  • 市販のCDなどの音楽を利用する場合、レコード会社や演奏者の了解も必要です。
  • YouTubeやニコニコ動画など動画投稿(共有)サイトの多くは運営者がまとめて著作権の手続きをしています。
    その場合は個人で手続きする必要はありません。

詳しくはこちら

こんな時の手続きは?

学校行事別に見てみよう

学校行事ごとに手続きが必要な場面、必要ない場面を行事のながれにそって見てみよう。

教職員の方へ

学校で音楽を使う時の注意点

著作権法(※)上、学校などの授業のための複製は手続きがいらないこととされていますが、あくまで授業で必要な範囲での利用に限られていますので、次のような場合は適用されません。

  • 学級通信や学校だよりへの歌詞・楽譜の掲載
  • 職員会議や研修の資料へのコピー
  • 学校説明会で配付するためのCDやDVDへの録音・録画
  • (学校その他の教育機関における複製等)
    第三十五条  学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
  1. 2.公表された著作物については、前項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して当該著作物をその原作品若しくは複製物を提供し、若しくは提示して利用する場合又は当該著作物を第三十八条第一項の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合には、当該授業が行われる場所以外の場所において当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

授業で使えるワークシート

著作権のルールについて解説した「著作権のルールを知ろう!」と、ルールを理解できたか確認するためのワークシート「こんなとき、つくった人の了解は必要?不要?」がダウンロードできます。
ワークシートの回答は、当コーナー内で確認できます。
音楽の著作権を中心に解説していますが、学習指導要領に記載されている「著作権を含む情報モラル」を指導するさまざまな場面で、自由にコピーしてご活用ください。

参考サイト集

音楽著作権についてより知りたい方は次のページをご参照ください。

閉じる

クイズ・アンケート