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【CISAC Global Collections Report 2025】世界から見た日本の使用料徴収額

CISAC(著作権協会国際連合)による「グローバルコレクションズリポート」    

CISAC(著作権協会国際連合)は、CISACに加盟する世界中の著作権管理団体の前年の使用料徴収額を基に、毎年「CISAC Global Collections Report(世界徴収リポート)」を発行しています。このリポートでは、音楽、映像、演劇、文芸および視覚芸術の著作権管理団体による使用料徴収の傾向を確認することができます。

2025年11月に発行された同リポートから統計の一部をご紹介します。

  • 本リポートの統計は、重複を避けるため、姉妹団体から受け取った使用料(外国入金)を除いています。また、管理手数料や文化控除などの各種控除前の総収入です。
  • 1ユーロ=165.45円で換算しています。

世界の著作権使用料徴収額

2025年の「CISACグローバルコレクションズリポート」によると、CISACに加盟する世界中の著作権管理団体の2024年の使用料徴収額(音楽以外を含む全分野)は前年比6.6%増の139.7億ユーロ(約2.3兆円)で、過去最高を更新しました。音楽配信、動画配信等の配信使用料が増加を牽引しています。

利用分野ごとの傾向

利用分野ごとに見ると、配信使用料はサービス加入者数の増加等により前年より11.2%増加し、51.4億ユーロ(約8千億円)となりました。2015年から7倍に増加しています。


演奏使用料は前年より9.6%増加しました。コロナ禍による落ち込みからの回復を経て、演奏会、BGM使用料の増加により、さらに伸びが続いています。


演奏使用料のうち主要な部分を占めるのは演奏会とBGM使用料で、それぞれ全体の44%、39%を占めています。BGM使用料が世界では主要な使用料収入源となっています。


テレビ、ラジオ等の放送使用料は前年より0.8%増加しました。ユーザーの視聴動向の変化により半数近くの国で減少した一方で、米国等で増加がみられました。


音楽分野におけるそれぞれの利用分野の割合をみると、配信使用料が全体の4割近くを、放送使用料、演奏等使用料がそれぞれ3割近くを占めます。私的複製使用料も2.1%を占め、存在感を示しています。

地域ごとの割合

使用料徴収額の地域別の割合を見ると、ヨーロッパ地域が54.7%と最も高く、日本を含むアジア太平洋地域は13.8%でした。

世界から見た日本の使用料徴収額

日本の音楽著作権使用料の徴収額は世界で5位です。1位は米国、2位から4位まではフランスをはじめとするヨーロッパの国が並びました。

生成AIによる徴収額への影響

世界的に使用料徴収額が増加する一方で、急速な生成AIの発達・普及がクリエイターの収入に及ぼす影響が懸念されています。本リポートの巻頭では、2024年にCISACが発表した調査結果が参照され、音楽・映像などのクリエイティブ分野における生成AI市場が2028年に640億ユーロ(約10.5兆円)に拡大し、最大でクリエイターの収入の4分の1が奪われるとの推計が示されています。クリエイティブ分野の未来を守るため、CISACはAIプラットフォームに対する透明性の確保と許諾の義務付け、クリエイターへの適切な報酬を求めています。


以上、「CISACグローバルコレクションズリポート2025」から一部の統計をご紹介しました。同リポートにはその他にもさまざまな統計が掲載されています。全文は以下からご覧ください。