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【CISAC Global Collections Report 2024】世界から見た日本の使用料徴収額

CISAC(著作権協会国際連合)による「グローバルコレクションズレポート」    

CISAC(著作権協会国際連合)は、CISACに加盟する世界中の著作権管理団体の前年の使用料徴収額を基に、毎年「CISACグローバルコレクションズレポート(CISAC Global Collections Report)」を発行しています。このレポートでは、音楽、映像、演劇、文芸および視覚芸術の著作権管理団体による使用料徴収の傾向を地域ごとに確認することができます。CISACの会員であるJASRACの使用料徴収額も同レポートに反映されています。

このページでは、昨年10月に発行された同レポートに記載されている統計を一部ご紹介します。

  • 本レポート記載の国・地域毎の統計は、重複を避けるため、姉妹団体から受け取った使用料(外国入金)を除いています。また、管理手数料や文化控除などの各種控除前の総収入です。
  • 1ユーロ=153.50円で換算しています。

世界の状況

2024年の「CISACグローバルコレクションズレポート」(2023年データ)によると、CISACに加盟する世界中の著作権管理団体の2023年の使用料徴収額(音楽以外を含む全分野)は前年比7.6%増の130.9億ユーロ(約2兆円)で、過去最高を更新しました。配信使用料の堅調な伸びと合わせて、演奏会やBGM等の演奏使用料がコロナ禍から力強い回復をみせたことが要因となりました。なお、コロナ拡大前の2019年からは29.9%増加しています。

演奏会やBGM等の演奏使用料は前年より22%増加し、コロナの影響による落ち込み以来、初めてコロナ前の水準を上回りました。また、音楽配信・動画配信サービス等の配信使用料は伸び幅に鈍化がみられるものの、前年比9.6%で増加し堅調に推移しました。

使用料徴収額の地域別の割合を見ると、ヨーロッパ地域が54.7%と最も高く、日本を含むアジア太平洋地域は14.3%でした。

世界から見た日本の使用料徴収額(主要国のみ抜粋)

日本の音楽著作権使用料の徴収額は世界で5位です。アジア太平洋地域では日本が1位、オーストラリア(※)が2位、韓国が3位です。

※ニュージーランドおよび付近の南太平洋の島々を含む

レポートでは、各国の使用料徴収額(全分野の合計)を人口一人当たりで計算した金額も紹介されています。日本における使用料徴収額を日本の人口で割ると、一人当たり7.19ユーロ(約1,103円)となり、世界で20位に位置します。最も金額が高かったのはスイスで、一人当たり29.48ユーロ(約4,525円)でした。上位10カ国のうちヨーロッパ諸国が9カ国を占めており、ヨーロッパ地域は芸術全般における著作権管理の成熟度が高いことがうかがえます。

また、各国の国内総生産(GDP)に占める使用料徴収額の割合もレポートで報告されています。この数字は、国の経済全体に占める使用料徴収額の割合を示しています。
1位はフランスの0.063%。日本の割合は0.023%で、世界で22位でした。こうした数字は、日本の著作権使用料の徴収額の水準が世界と比較して必ずしも高いとは言えないことを示しています。

「CISACグローバルコレクションズレポート」には、その他にもさまざまな統計が掲載されています。