国際ネットワーク

音楽をはじめ小説、映画、ゲームといった著作物は世界の国々が加盟する著作権の国際条約(ベルヌ条約やWTO協定など)にもとづき、お互いに保護し合うシステムが整っています。
例えば音楽の場合、条約に加盟しているアメリカやフランスの作詞家・作曲家の作品は、日本の作詞家・作曲家の作品と同じように日本で保護されています。
しかし、権利が保護されていても、日本で「音楽を使う人」がアメリカやフランスの作詞家や作曲家に連絡して、使っていいかどうか確認したり、使用料を支払ったりといった手続きをとるのは大変ですよね。
そこで、世界各国にあるJASRACのような団体が、それぞれの団体の管理作品(レパートリー)を互いに管理し合う契約を結んでいて、多くの外国曲の著作権も日本国内ではJASRACが管理しています。だから、日本で海外の曲を使いたいときも、JASRACで手続きができる場合がほとんどです。

  • JASRACと契約している団体については、こちらを見てみてくださいね。

世界で最初の音楽著作権団体は?

世界で最初の音楽著作権団体は、今から約160年前の1851年に設立されたフランスのSACEM(サセム)という団体です。
当時の作詞家や作曲家が、自分たちのつくった作品がカフェで勝手に演奏されているのを聞いて、自分たちの権利(著作権)を守ろうと立ち上がったのがきっかけでした。
その後、ドイツのGEMA、イギリスのPRS for Music 、アメリカのASCAPBMIなど世界中の国々で著作権の管理団体が設立されました。
なお、音楽以外の美術・文芸なども含めた著作権の管理団体が加盟する国際的な組織としてCISAC(著作権協会国際連合)という団体があり、2019年6月現在で120ヵ国・地域から232団体が加盟しています。

海外では日本のアニメが人気?

2018年度、外国団体からJASRACに使用料が送られてきた作品のうち、使用料が多かった上位10作品のうち7作品がアニメの音楽作品でした。これは日本のアニメが海外でテレビ放送されたことによるBGMの使用料で、日本のアニメが外国でとても人気があることが分かりますよね。アジアの団体からは、アニメの音楽作品だけでなく、いわゆる「J-POP」の使用料も、年々増えてきています。

アジアのリーダー

アジアの国々にも、著作権管理団体がありますが、一般的にアジアではアメリカやヨーロッパに比べて著作権の保護があまり進んでいません。
JASRACはアジアの国々での著作権管理のレベルアップを目的として、世界の著作権団体の国際組織(CISAC)の「アジア太平洋委員会」を通じての支援や研修生の受け入れなどアジア地域のリーダーとして積極的な協力を行っています。アジアの国でJASRACと契約している団体は韓国、中国、香港、フィリピン、マレーシアなど19ヵ国3地域(2020年2月現在)です。

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