レコード会社やミュージシャンはどんな権利をもっているの?
レコード会社やミュージシャンはどんな権利をもっているの?
詞やメロディなど音楽そのものを作る作詞家・作曲家が、著作権を持っているのに対し、CDをつくるレコード会社やミュージシャン(歌手・バンド)は、著作権に隣り合わせの権利として「著作隣接権」という権利を持っています。
※放送事業者(テレビ局やラジオ局)、有線放送事業者(CATVなど)も「著作隣接権」を持っています。
ミュージシャン(歌手・バンド)の「著作隣接権」
ミュージシャンは、作詞家や作曲家がつくった音楽を歌ったり、演奏したりして私たちに届けています。ミュージシャンは、法律では「実演家」という立場で「著作隣接権」を持っています。
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録音権・録画権演奏や歌をCDに録音したり、DVDやBlu-rayに録画したりすることに関する権利。
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放送・有線放送権演奏や歌をテレビやラジオなど放送(有線放送)で流したりすることに関する権利。
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送信可能化権インターネットなどで、リクエストに応じて自動的に送信できる状態にする権利。この権利により、ミュージシャンの歌や演奏をサーバーに無断でアップロードすることはできません。
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貸与権CDをレンタルすることに関する権利。 この権利は、最初にCDが発売された時から1年間に限って適用されます。 1年を経過した後は、CDレンタル店から報酬(ほうしゅう)を受け取る権利(報酬請求権)になります。
このほか、「譲渡権」という権利や自分の歌や演奏が録音されているCDが放送や有線放送で使われた場合に、テレビ局などの放送事業者から報酬として使用料を受け取ることができる権利(報酬請求権)があります。
レコード製作者の「著作隣接権」
作詞家や作曲家が作った音楽をレコーディングし、CDのもとになる原盤(マスターテープ)を作る人を法律では「レコード製作者」といいます。
原盤を作る人は、レコード会社のほか、音楽出版社やプロダクションなどがあります。
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複製権複製(コピー)することに関係する権利です。 この権利により、市販のCDからコピーした音楽を映像や動画のBGMなどに使う時には許可が必要になります。
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送信可能化権インターネットなどで、リクエストに応じて自動的に送信できる状態にする権利。 例えば、CDからコピーした音楽データをサーバーに勝手にアップロードすることはできません。
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貸与権CDをレンタルすることに関する権利。 この権利は、最初にCDが発売された時から1年間に限って適用されます。 1年を経過した後は、CDレンタル店から報酬(ほうしゅう)を受け取る権利(報酬請求権)になります。
このほか、「譲渡権」という権利やCDが放送や有線放送で使われた場合に、テレビ局などの放送事業者から報酬として使用料を受け取ることができる権利(報酬請求権)があります。
著作権は、音楽や小説などの作品ができたときから権利が発生して、作詞家や作曲家など作品を作った人が亡くなってから70年が経過すると消滅します。
例えば、2018年に亡くなった作曲家の場合は、2088年末で著作権は消滅します。
今から数百年前に亡くなっているバッハやベートーベンの作品は、だれでも自由に利用することができます。
著作権が消滅するとPD(public domain)といって「公有」されることになります。
- 作者が亡くなった後は、遺族の方などが著作権を相続します。
- 作者が不明の作品や会社など団体が作者になっている場合は、作品が発表(公表)された時から、70年で権利が消滅します。
- 外国の曲の場合、「戦時加算」といって通常の保護期間(死後70年後まで)に約10年を加算して保護されることもあります。
著作隣接権は、演奏が行われた時やCDのマスターテープ(原盤)をつくった時から、70年間保護されます。
実演(演奏や歌唱など) | 実演が行われた時から70年後まで |
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CD・レコードなど | その音を最初に録音した時からはじまり、発行してから70年後まで |
放送や有線放送 | 放送や有線放送が行われた時から50年後まで |