音楽をつくる人
「音楽をつくる人」にはどんな人がいて、どんな仕事をしているんだろう?
音楽をつくる人たちは、著作権法という法律で「著作権」や「著作隣接権」(ちょさくりんせつけん)という権利をもっています。
音楽をつくる人と「著作権(Copyright)」がどのように関係しているのかを見ていきましょう。
こんな人たちが
音楽をつくっています。
作詞家・作曲家歌詞を作ったり、メロディ、リズムなどを作って音楽を作りあげます。
レコード会社CDやDVDなどを作って、たくさんの人に聞いてもらうように、宣伝や営業を行っています。
ミュージシャン(歌手・バンド)歌って演奏することで、世の中のひとに音楽を届けています。
音楽出版社曲の著作権管理から宣伝(プロモーション)CDの制作まで幅広い仕事を行っています。
作詞家・作曲家の仕事
作詞家や作曲家は、歌詞を作ったり、メロディ、リズムなどを作って音楽を作りあげます。音楽には、ロック、ジャズ、童謡、クラシックなど色んな種類がありますが、どんな曲にも作った人がいて、その人の思いが込められています。
だから、自分の好きな曲を作った作詞家・作曲家の作品を大切にする気持ちが重要ですよね。
作詞家・作曲家は法律上どのような立場にあるのでしょうか?
ちょっと難しいけれど、著作権法で音楽は「著作物」(ちょさくぶつ)といい、作詞家や作曲家は「著作者」(ちょさくしゃ)という立場で「著作権」という権利を持っています。
著作権は、お金や土地と同じように作った人が持っている財産としての権利ですので、コンサートを開いたり、CDを作ったりして音楽を使う人から、「使用料」(このお金のことを「印税」(いんぜい)ということもあります)を受け取ることができます。
レコード会社の仕事
レコード会社は、みなさんがレコード店などで買うCDやDVDなどを作って、たくさんの人に聞いてもらうように、宣伝や営業を行っています。
CDをつくる(原盤制作)
レコード会社は、作詞家や作曲家が作った音楽をレコーディングし、CDのもとになるマスターテープ(原盤)を作ります。原盤を製作するまでには、スタジオ代や機材代などたくさんの費用がかかります。この費用はレコード会社だけでなく、音楽出版社やミュージシャンの所属するプロダクションが共同でお金を出し合うこともあります。原盤をつくる会社は、著作権にとなりあわせの権利として「レコード製作者」という立場で「著作隣接権」をもっています。
音楽出版社の仕事
音楽出版社は曲の著作権管理から宣伝(プロモーション)、CDの制作まで幅広い仕事を行っています。
[参考ホームページ]
(社)日本音楽出版社協会
http://mpaj.or.jp/
著作権の管理
音楽出版社は作詞家・作曲家と契約を結んで、「著作権の管理」を行っています。この契約では、音楽出版社は作詞家・作曲家の持っている「著作権」をゆずり受けます。
著作権をゆずり受けた音楽出版社が、自分の会社で直接「音楽を使う人」に許可したり、使用料をもらうこともできますが、多くの場合、その著作権をJASRACなどの著作権を管理する団体(会社)に預けています。
詳しくは、「JASRACのしごと」のコーナーで説明します。
「音楽を使う人」から支払われる著作権の使用料を受け取り、作詞家・作曲家へ分配する(渡す)までの手続きを正確に行うことが、音楽出版社の仕事の一つです。
このような仕事を、一般に「著作権の管理」と呼んでいます。
宣伝(プロモーション)
レコード会社はCDという商品の宣伝をメインにしているのに対し、音楽出版社は作詞家・作曲家の作った曲そのものを宣伝します。
作詞家や作曲家の作った曲が、CDに収録されたり、テレビで放送されたり色々なところで使われるように、レコード会社やテレビ局、ラジオ局などへの宣伝を行います。
CDをつくる(原盤制作)
音楽出版社も、レコード会社と同じように作詞家や作曲家が作った音楽をレコーディングし、CDの元になるマスターテープ(原盤)を作ります。原盤を製作するまでには、スタジオ代や機材代などたくさんの費用がかかります。
この費用はレコード会社と歌手(バンド)の所属するプロダクションが共同でお金を出し合うこともあります。レコード会社のところでも説明しましたが、原盤をつくる会社は「レコード製作者」という立場で著作隣接権という権利をもっています。
Copyright(コピーライト)
著作権は、英語ではCopyright(コピーライト)といいます。Copy(コピー)は「写す、まねる」、Right(ライト)は「権利」という意味です。著作権制度は、15世紀のヨーロッパでグーテンベルクという人が実用化した印刷技術をつかって作られた海賊版(コピー本)の取り締まりがきっかけで生まれたといわれています。当時の出版社は、苦労してつくった本が海賊版のおかげで売れなくなり、大きな被害を受けました。その後、イギリスやフランスなどヨーロッパの国々で小説や音楽などをつくるひとの権利をまもるための法律(著作権法)がつくられ、現在では世界中の多くの国で「著作権」が守られています。