Carlos K.さんは2018年6月にJASRACに入会されましたが、きっかけはなんですか。
Carlos:年々、海外から制作依頼を受けることが多くなったからです。最近はブラジルからオファーがあったり、K-POPも制作しています。JASRACは海外の著作権管理団体と相互管理契約を結んでいるので、海外で自分の曲が使われた場合も、JASRACがきちんと分配してくれるんですよね。
また海外の音楽出版者と一緒に何かをやる時にも、JASRACに入会した方が便利だと思うんです。先輩の作家さんに「海外との窓口にもなってくれるから、入会した方が良いよ」と教わって入会しました。
著作物使用料については、どのように考えていますか?
Carlos:普段創作活動をしている僕には著作物使用料というのは、貴重な収入ですし、大事な生活費です。創作活動に専念できるのはこの著作物使用料があってこそだと思っています。JASRACから日本をはじめ海外の著作物使用料も分配してもらえるのは本当に助かります。仲のいい杉山勝彦さんなど、自分のまわりはみんなJASRACの会員になっていますからね。今思えば、僕が入会するのが遅かったぐらいで、もっと早く入っておけば良かったです。
今後の展望について、お聞かせください。
Carlos:とにかく楽しく音楽を作っていきたいと思っています。親がそうしてくれたように、ものを作る楽しさを伝えながら、自分の作品が多くの人に届いてくれればうれしいです。日本では西野カナさんの『あなたの好きなところ』(作詞:西野カナ 作曲:Carlos K./Yo-Hey)で運良く日本レコード大賞をいただけましたが、これからは海外に挑戦するのも面白いなと思っています。グラミー賞を取れたりしたらこの上ないですね。
海外への挑戦とても楽しみにしています。
Carlos:振り返ると、ブラジルから帰国して13年ぐらいずっと同じことを本当に必死に続けてきて、特に28歳ぐらいまでは体を壊すぐらい仕事をしていました。でも、これでは続かないと思い、余裕をもって楽しもうとするように少しスタンスを変えたんです。それからのほうが実績も格段にいいんですよね。楽しくやることがすごく大事だということに気付きました。自分の人生と音楽を楽しみながら、旅もして、たくさん吸収してそれをアウトプットするという。
せっかくこういう仕事をやらせてもらっているので、とことん楽しもうと思います。
最後に、音楽のプロを目指す若いクリエイターの皆さんに向けて、メッセージをお願いします。
Carlos:今僕が思うのは、「音楽のプロになるぞ」という強い気持ちも大事ですが、人の気持ちを考えてあげることや、人とコミュニケーションを取りながら楽しく作ることのほうが、実は大事なんじゃないかなということです。なぜなら、音楽は人に寄り添ってくれるものだから。自分のために曲を作るのもいいですが、人の気持ちを考えて作ることこそが大事なんだと思います。人間はやはり、独りじゃ幸せになれないんですよね。
そのとおりだと思います。
Carlos:独りだけの人生なんて、ありえないですよね。自分一人だけが幸せなんて、結局本当の幸せではないんです。人を幸せにできて、自分も幸せになれるというか、人の笑顔を見ると、こっちも笑顔になるじゃないですか。そういう生き方をしたほうが、プロに近づけるのではないかと思います。だって、多くの人を喜ばせた曲が、「ヒットする」ということですよね。だから僕も、もっと多くの人を幸せにできるように生きていきたいと思います。
(2020年1月公開)
Carlos K.さんのプライベートスタジオ
特に気に入っているのはADAM AUDIOのモニタースピーカーですね。今でこそ大人気のスピーカーですが、僕は発売初期の頃からずっとADAMを愛用しています。
それとMANLEYのマイク。これは本当に女性の声がよく録れます。ヘッドフォンはたくさん持っていますが、一番お気に入りのメーカーはAKGかな。
【使用機材】
- PC / Apple / Mac Book Pro
- DAW / Apple / Logic Pro X
- モニタースピーカー / ADAM AUDIO / A7X
- マイク / Manley Laboratories / REFERENCE CARDIOID
- MIDIキーボード / Roland / A-49
- オーディオインターフェイス / Universal Audio / Apollo 8