通信カラオケ使用料について合意書を交わす

 先月お知らせしましたように、業務用通信カラオケに適用する使用料規定について、JASRACは音楽電子事業協会AMEI加入14事業者と合意しましたが、10月3日、新宿・京王プラザホテルでJASRAC、AMEIのトップ会談がもたれ、9月26日付同合意書が加戸JASRAC理事長から日吉AMEI会長に手渡されました。

 日吉会長は冒頭、両協会の課題として音楽電子事業の発展と著作権保護の調和を挙げ、JASRACには著作権管理における世界のリーダーになってほしいと挨拶、加戸理事長は「今後も共存共栄を念頭に、時代に適合した著作権管理のあるべき姿を考え、方向づけをしたい」と述べました。また、話し合いのなかでJASRACは著作物を利用して新規に事業を始める際、著作物使用料を機材などと同じ必要コストとして原価に組み入れ定価や料金を設定するという認識が産業界には必要ではないか、と問題を提起し、これについて意見が交換されました。

「'97カラオケサミットin東京」でパネル討論

 カラオケの最新機器や周辺技術などを展示・紹介する「'97カラオケ・フェスタ」が、カラオケ機器をリースしている事業者の団体である全国カラオケ事業者協会JKAの主催で9月24、25日、東京・有明の国際展示場で開催され、初日のフォーラム「カラオケサミットin東京」での「音楽著作権問題を考える」と題したパネル討論会に、JASRAC常務理事がパネリストとして出席しました。

 JASRACは、スナックやカラオケボックスなどでのカラオケ利用に触れ、「演奏権は音楽著作権のもっとも身近な権利でありながら、多くの権利侵害がくり返されている」と前置きし、著作権侵害の防止措置などJASRACの演奏権の管理体制を説明しました。また、JKAと協議を重ねているリース先店舗での著作権侵害防止と解消のためのガイドラインなどについて、判例などを踏まえたJASRACの方針を示しました。

 司会にあたった森綜合法律事務所の龍村全弁護士は、カラオケによる無断演奏などを解決するにはリース事業者団体とJASRACの協力が必須、と討論を締めくくりました。

遠藤実JASRAC会長が再販制度存続を訴える

 わが国の音楽文化・教育の一層の振興と健全な発展を図るために発足した音楽文化振興議員懇談会(会長・島村宜伸農林水産大臣)の第1回研修会が、10月7日、自民党本部で開かれ、遠藤実JASRAC会長が再販制度の存続の意義について講演を行いました。

 研修会には代理出席を含む30余名の議員のほか、加戸JASRAC理事長、渡邊美佐音楽出版社協会理事長、小森昭宏日本作曲家協議会常務理事、小川寛興日本作曲家協会常任監事、たなかゆきを日本作詩家協会常務理事、すぎやまこういち日本作編曲家協会理事長ら音楽関係団体代表など10名が出席しました。

 遠藤会長は、自らが再販制度の恩恵に浴したとして、少年時代、疎開先の新潟で岡晴夫のレコードを手にした際の喜びなどを語り、あらゆる分野のCD等を全国どこでも同一価格で購入できるシステムが再販制度により維持されていることは、地域による文化享受の格差をなくしている、また、豊かな心を育む多種多様な音楽の振興を可能とする同制度を広く社会的見地からも重要な制度として維持することが必要と述べ、出席した議員らに制度存続への支援を要請しました。 

韓国の著作権協会KOMCAでセミナー

 9月22日、韓国の著作権協会KOMCAの主催で「著作権集中管理制度の効率性」をテーマとするセミナーがソウルの世宗文化会館で開かれ、KOMCAの要請でJASRACからも常務理事、内国資料部長が出席しました。

 韓国では1994年の著作権法改正で、JASRACのような著作権委託管理業を行うことについて文化体育部長官の許可制から申告制にしましたが、その結果、音楽出版社など著作権を管理する代理・仲介業者が急増し、手続きの不都合、煩雑さなどが使用者サイドから指摘されていました。今回のセミナーは、KOMCAが音楽著作権は集中管理こそが効率的であり、集中管理団体は必要と文化体育部に訴えたところ、まず関係者にアピールをとの助言があり開かれたものです。

 当日は、韓国内の音楽出版社や利用者、学者など200名が参加する中、JASRACが日本で唯一の音楽著作権管理団体であることの意義、管理団体が複数ある場合の問題点などを指摘しました。

不正商品対策協議会が調査団を派遣

 JASRAC、芸団協、レコード協会、映像ソフト協会など9団体で構成される不正商品対策協議会は9月27日から10月3日まで、海賊版や偽ブランド商品など不正商品の密造・流布の現況や排除への対応策などを調査する不正商品事情調査団をインドネシア、シンガポールへ派遣しました。

 調査団はインドネシアの知的所有権協会や国家警察本部、シンガポール警察庁などを訪問、インドネシアでは知的所有権への理解、認識が低く、海賊版の密輸が横行していること、またカセットテープの海賊版は欧米ポップスが主流で、わずかに違法録音されている日本の楽曲は、歌詞が中国語に替えられているなどの現状説明がありました。

 シンガポールでは、大型レコード店には日本の正規品が置かれているが、小規模店では日本楽曲の台湾製海賊版が販売されている実態などを調査しました。

11月19日からオーディオフェア

 11月19日から23日まで東京・池袋サンシャインシティで開催される第46回オーディオフェア(日本オーディオ協会主催)に、JASRACは今年もブース出展します。

 1952年から毎年開催されているこのフェアでは、最新のオーディオ、ビデオ機器等が一堂に提示されるため、オーディオファンや若者を中心に、近年は毎年10万人以上もの人が訪れます。

 JASRACは1991年から継続してこのフェアにブース出展しており、池袋サンシャインシティでは最後(来年は東京・ビッグサイトを予定)となる今回のフェアでも、パンフレットの配布や著作権に関するアンケートの実施など、JASRACの業務への理解と音楽著作権思想の普及に努めます。


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