著作権法の一部改正が成立

 昨年12月17日の参院本会議で、著作隣接権の保護遡及期間の拡大などを盛り込んだ著作権法の一部改正案が可決され、12月26日に公布されました。施行日は3カ月以内に政令で定められます。
 主な改正事項は、
(1) 写真の著作物の保護期間に関する特例を廃止し、現行の公表後50年から著作者の死後50年とする
(2) 119条 、120条にある罰金額の上限を「300万円」に改める
(3) 著作権侵害などの訴訟で当事者から申立てがあった場合、裁判所は損害の計算に必要な書類の提出を一方の当事者に命じることができる
(4) 現行法施行前の実演等についても、現行の著作隣接権に関する規定を適用する
など。(4)については、現行法施行前の実演等についても、保護遡及期間の拡大により、改正案施行日から起算して50年前までのものは保護されることになります。

全国初の仮処分決定〜無断利用のカラオケ歌唱室に

 12月6日、東京地裁民事29部は、JASRACに無断でカラオケを利用していた立川支部管内の「カラオケ歌唱室(カラオケボックス)」に対して、カラオケ演奏の禁止と関連機器の執行官保管を命じる、全国初の仮処分決定を下しました。
 決定を受けたのは、JASRACがカラオケ歌唱室に対して初めて著作権侵害差止等の仮処分を申し立てた3店のうちの1店で、この店は、カラオケボックスでの客の歌唱は、スナック、クラブなど飲食店での音楽利用とは異なり著作権侵害にはあたらないと主張し続け、東京地裁では6回にわたる審尋が重ねられました。
 決定後この店は、JASRAC請求の損害金等を一括で清算、JASRACと和解しています。
 JASRACは、再三の注意・警告に応じない悪質な無断利用のカラオケ歌唱室に対しては、飲食店など社交場での音楽利用の場合と同様、法的措置を全国的に実施し、公平な管理を実現していくことにしています。


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