N響版:「ドラゴンクエストIV」導かれし者たち+オリジナル・ゲームミュージック
N響版:「ドラゴンクエストIV」導かれし者たち+オリジナル・ゲームミュージック
品番:SVWC7112
税込定価:\3,059
発売日:2001/12/19
発売:SME・ビジュアルワークス
(c)エニックス (c)スギヤマ工房



交響組曲「ドラゴンクエスト」ザ・ベスト
交響組曲「ドラゴンクエスト」ザ・ベスト
品番:SVWC7074
税込定価:\2,345
発売日:2001/03/23
発売:SME・ビジュアルワークス
(c)エニックス (c)スギヤマ工房

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プロの音楽家を目指すなら音楽理論と感受性が必要

プロの音楽家を目指す人は、音楽理論などの基礎をしっかり勉強したうえで感受性を磨くことが大切だと思います。感受性を磨くためには、なるべく若い時から優れた作品に触れることが重要ですね。パンク・ロックやラップも社会的には大事な音楽だけど、ある種“ファーストフード”みたいなところがあるかもしれない。ファーストフードばっかり食べて本当の「ごちそう」の味を知らないと、オーケストラの音楽を作ることはできません。その意味で僕は、子供の頃に「ベートーベン」というスゴイごちそうの味をいっぱい覚えたのが、本当にありがたいと思います。

曲のメロディはもちろん大事ですが、大きな構造で考えるとスコアは設計図みたいなものです。だから、「学校の勉強が嫌いでドロップアウトしたから音楽をやりたい」と言う人がいますが、音楽家は勉強が好きじゃないと務まらない仕事だと思います。音楽家ってそんなに楽そうに見えるのかなぁ(笑)。中には、学校を辞めて成功する運の良い人もいますが、音楽のアマチュアが一瞬スターになっても、長続きしないケースも多いですね。収入を得るために「宝くじ」を買い続けるのも一つの方法だとは思いますが、職業としてやっていくなら基礎的な理論などは独学でも身につけないと厳しいと思います。

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頭脳が生み出した価値で食べていく「知価社会」を支えるのが知的所有権

インターネットが普及したおかげで、ユーザーにとってみれば、いろんな流通手段が出てきて気軽に音楽が聞けるようになったので、「便利になったなぁ」と思います。でも、だからこそプロの音楽家が存在しうる社会をどのように保持していくかが重要で、その仕組みを支えるのが著作権などの「知的所有権」の制度なんです。

昔のレコードは、片面5分の曲でもそれなりの値段がしましたが、最近では着信メロディのように1曲20円という風に値段が下がってきているので、プロの作曲家が受け取る対価(著作権料)の単価も相対的に低くなってきています。こうした流れが「人類にとって果たしてよいことなのか?」って思うんですよ。

クルマや洋服などの製造業は外国に移転してしまうかもしれませんが、21世紀の日本は、頭脳が生み出した価値で食べていく「知価社会」をいかにして作っていくかが大きなテーマです。そのためには、ゲームソフト、映画、音楽のように頭脳が生み出した作品(著作物)を正当に評価し、クリエイターに報いるような社会を作っていかなければいけないと思います。


インタビューを終えて
カメラが趣味というすぎやま先生に、何気なく「カメラは何台お持ちなんですか?」と尋ねたところ、「うーん、ざっと2,000台くらいかな。」・・・(ア然)。音楽、カメラ、ゲーム、単純に「好き」という純粋な気持ちがあって、勉強して突き詰めていく探求心に脱帽です。「自分は人づきあいの上手いタイプじゃない」とおっしゃっていましたが、ファンを大切にし、時が経っても古くならない音楽を作る。それがすぎやま先生の作品が広く、長く、深く愛される理由なのでしょうね。



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プロフィール
1931年4月11日、東京生まれ。
成蹊学園高校、東京大学教育学部教育心理学科卒業。
高校在学中から作品を書き始める。大学卒業後、文化放送に入社。報道部、芸能部を経る。1958年、開局前のフジテレビに入社し、ディレクターとして「おとなの漫画」「ザ・ヒットパレード」等、多くの番組の演出を手がけ、同時にコマーシャル音楽の分野で作曲家としても活動をはじめ、その後レコード界にも進出、数多くのコマーシャル音楽、ポピュラーソング、クラシック音楽を手掛ける。近年はテレビゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズ他、ゲーム音楽を多く手掛けている。代表作は、恋のフーガ(ザ・ピーナッツ)、亜麻色の髪の乙女(ヴィレッジ・シンガーズ)、僕のマリー、シーサイドバウンド、君だけに愛を、花の首飾り(ザ・タイガース)、学生街の喫茶店(ガロ)、東京競馬場・中山競馬場の発走ファンファーレとマーチ他多数。
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プレゼント
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たくさんのご応募ありがとうございました。)



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JASRAC 1 vol5すぎやまこういち