音人工房

JASRAC 日本音楽著作権協会

第2回 KOKIA

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Vol.3 イメージできることは実現できる

著作権に対する意識について伺いたいんですが、普段ご自身の権利のことを意識することはありますか?

KOKIA:事務所を独立してからは、そんな話ばっかりですね(笑)。打ち合わせの段階から会議にもよく出席して、いろんな話を聞くようになったので、以前よりもすごく意識するようになりました。

KOKIAさんがJASRACに入会されたのは2007年1月ですが、やはり事務所を独立されてからですね。

KOKIA:そうですね。2006年5月に事務所を独立したんですけど、リリースを始めて、本格的に新しい事務所での活動が始まったのが2006年の末だったので。なので、「あ、私独立したんだ」って最初に実感したのが、まさにJASRACの窓口まで自分で行って、入会申込書を書いたときでした(笑)。今までは事務所を通してのことだったけれど、個人で会員になったのは初めて。予約をして伺って、JASRACの方のお話を30分ぐらい聞きました。それまで事務所に所属しているときは全部お任せだったので、システムがどうなっているかも本当にわかっていなかったです。

JASRACからお送りしている分配明細書はご覧いただいていますか?

【JASRACの分配明細書のサンプルはコチラ】
KOKIA:はい。自宅に送っていただいているので、もちろん全部チェックしてます。明細書には利用された作品のタイトルが昔の作品から順に載っているじゃないですか?なので、自分が残してきた作品たちを文字で見られるわけですよね。昔の作品でもまだ聴いてもらっているんだっていうのを実感することができたり、この曲はあんまり聴かれていないんだなーというのが数字で見れるので、おもしろいですよね。権利と言っても著作権だけじゃなくて、いろんな権利があるじゃないですか。そういうことにめちゃくちゃ詳しくなる必要はないですけど、多少わかっていた方が作詞作曲をされるミュージシャンの方はいいと思っています。

今回いろいろとお話を聞かせていただいて、KOKIAさんの根本的な部分にはおじいさんとおばあさんの存在があるんだという印象を持ちました。インタビューの前半で「芸術を通して育まれるものが大事だと祖父母が考えていた」というお話がありましたが、これまでの活動を通して、この言葉を実感したことはありますか?

KOKIA:あります。新潟で中越沖地震があったときに被災されたファンの方から「安否を気遣う親戚や友人からの電話が鳴る度に、着信音にしているKOKIAさんの曲を聴いて励まされています。こういう大変な中でも、日頃KOKIAさんの歌にどれだけ励まされているかっていうのを伝えたくてメールしました」というメールをいただいたんですよ。そのメールを読ませてもらったとき、その人と自分の人生が交わった瞬間というか、何か私にできないかなって思ったんです。今考えてみれば、それも独立後の出来事でよかったことの一つですけど、事務所を独立して私のようなスタイルで活動をしていると自由な形で自分の作品を人に届けることができたりするので、自分の財産として人に曲をプレゼントすることもできるじゃないですか。それで、曲を書いてメールにMP3を添付して手紙の返事代わりその方に送ったんです。それが『私にできること』っていう曲なんですけど。その曲は彼女を励ますために書いた曲だったんですけど、後々災害放送を通して流されたことで、支援に携わっていた自衛隊さんだったり、全国から手伝いにきているボランティアの方だったり、被災された方たち自身を励ますような曲に成長していったんです。歌とか音楽があるべき姿、一番望まれる姿で花開いて行った状況を傍で見ることのできた、私にとっては複雑だったけれど、すごくうれしい出来事だったんです。「音楽にはそういう力がある」ということを改めて確信しました。

今後音楽を通して実現したいことがあれば聞かせてください。

KOKIA:はい。実現したい、形にしていきたい夢はたくさんあります。けれど、真面目な話をすると、その全ては「続けること」という一つの言葉に繋がっていきます(笑)。私にすごくいい言葉を残してくださる方ってたくさんいるんですが、その中でもずっと支えになっているのが、プロデューサーの須藤晃さんが言った言葉なんです。私がまだ渋谷のライブハウスとか、小さな会場で歌を歌っていたときだったんですけど、「目を閉じて、渋谷公会堂に立っているとか、ドームに立っているとか、どこでもいいんだけど、自分が立ちたいと思っているステージを思い浮かべて、そこに立っている自分が想像できる?」と言われて。目を閉じて想像してみて「あ、どこどこのホールに立っているのが想像できます」って言ったら、「目を閉じて想像できることは全部叶うことだよ。それが3ヵ月後なのか3年後なのか30年後なのかはわからないけど、自分で目を閉じたときに自分の姿として想像できることは必ず叶うよ」と言ってくれたことがあるんです。それを言われた1年後ぐらいに実際に私は渋谷公会堂のステージに立っていたんです。「須藤さんが言ってた通りだ」って思ったんです。1年前は目を閉じて想像はできても、現実的にはそんなステージには立てない状況だったので。「そういうことってあるんだ」って思って以来、フランスのステージに立つ自分だったり、ヨーロッパの各国に立っている自分だったり、日本のどこどこのステージに立っている自分っていうのを、ぼんやりではなく、事細かくイメージできればできるほど、実現できるといつも思ってイメージするように心掛けています。ステージに上がる前もイメージを持つことはずっと心掛けています。自分を落ち着かせるため、成功させるためにとても大事なことのように思っています。最初はぼんやりしたイメージだったものが、だんだん色が付いてきて、湿度が付いてきて、温度が付いてきて、匂いが付いてきて、動きも想像できて、音も付いてきて、そこまで事細かくイメージできれば自分のものですね。あとはその通りになっていく。私にとって「イメージすること」というのは、とても大事にしていることの一つです。

(2011年2月公開)

Information

『REAL WORLD』
VICL-63552 \3,150(tax in) 好評発売中

世界が感涙する歌声、壮大なスケール、スピリチュアルなメッセージで伝える珠玉の作品『REAL WORLD』
2011年春には、新たな作品創りとなるステージレコーディングアルバム『moment』を発売予定。
詳しくはオフィシャルHPへ。

Present

こちらのアンケートにお答えいただいた方の中から抽選で5名様に、KOKIAさんのサイン入りオリジナルグッズ(Tシャツ&バッグセット)をプレゼントいたします。

※応募は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。

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