電子透かしの国際評価プロジェクト「STEP2000」の評価結果を発表

著作権管理団体の国際組織とともに、JASRACが実施主体となって行った電子透かし技術の実証実験「STEP2000」が完了し、JASRACは10月6日、優れた技術を持つと認定した企業5社を発表しました。この実験は、著作権者側の初の技術評価であり、今後の電子透かし技術の利用促進が期待されます。

今回、「STEP2000」がデジタル音楽流通に関わる事業者への推奨が可能な技術を保有すると認定した企業は次の5社です。

「STEP2000」は、JASRACがCISAC(著作権協会国際連合)、BIEM(録音権協会国際事務局)とともに、株式会社野村総合研究所に業務を委託し、ASCAP(米)、GEMA(独)、SACEM(仏)ほか世界の主要な著作権管理団体の後援を受けて行った音楽における電子透かし技術の国際的な評価プロジェクトです。

実験は、音楽データの圧縮をはじめ様々な処理を経ても透かしデータが抽出できる「耐性テスト」、透かしデータを入れた音楽をスタジオで再生しても、透かしデータの入っていることがわからない「音質テスト」を厳しい基準で実施、前述の5社が推奨可能な技術を保有する企業として認定されました。ただし、IBM以外の企業には一部技術の補正を求めたうえでの認定となりました。プレス・リリースについては、こちらをご覧ください。




インタラクティブ配信の相互管理
各国の演奏権管理団体と契約へ


JASRACは、今後海外の演奏権管理団体とインターネットなどインタラクティブ配信における「演奏権」の相互管理契約を順次締結し、早期に各国団体のレパートリーを適正に管理できる環境を整えていくことになりました。契約の締結にあたっては、アメリカの演奏権管理団体であるBMIのほか、PRS(英)、SACEM(仏)、GEMA(独)などヨーロッパの主要団体間で既に締結し利用している契約書を採用し、現在各団体と締結している「演奏権相互管理契約」に付加する形をとります。

契約書では、各国の著作権管理団体は原則として自国を経済的所在地とするコンテンツ・プロバイダーに対して許諾を発行し、許諾した団体が定める料率で使用料の徴収を行います。また、使用料の分配については、エンドユーザーが属する国での権利関係にもとづくことを原則としますが、当面は許諾を発行した団体が属する国での権利関係によることとします。




コロンビアの演奏権管理団体
SAYCOと相互管理契約を締結


JASRACは南米コロンビアの演奏権管理団体SAYCO(コロンビア作詞者・作曲者協会)と、演奏権について相互管理契約を締結しました。契約始期は2000年10月1日。コロンビアは、ベルヌ条約や万国著作権条約、WTO協定等の国際的な著作権保護条約に加盟しており、すでに日本とは双方の著作物を互いに保護し合う関係にありますが、今年1月に同団体から相互管理契約締結の申入れを受け、契約内容等について数度の交渉を行った結果、この度合意に達しました。

これにより、JASRACと演奏権について相互管理契約を結んでいる団体数は82団体となりました。



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