平成12年度定例記者会見

JASRACは5月24日、平成12年度定例記者会見を開き、一般紙、専門誌、テレビ局などから50人の記者が出席、11年度事業の達成状況、仲介業務法見直しへの対応などの事項について報告を行いました。

 会見でははじめに、小野清子前理事長の後任として理事長に就任した吉田茂新理事長が「JASRACには今、仲介業務法の見直し、デジタル化・ネットワーク化への迅速な対応など乗り越えなければならない大きな課題がある。これらに対し、JASRAC自身がさまざまな改革を行うことで社会の信頼を得ることができ、また国際的にもJASRACの果たす役割が重要なものとなってくる。厳しい局面こそ新たな発展への契機とすべく取組んでいきたい」と挨拶しました。

このあと、「平成11年度事業の達成状況」、「仲介業務法見直しへの対応」、「デジタル・ネットワークへの対応と進捗状況」などについて担当理事が説明を行い、併せて2000年JASRAC賞を発表しました。質疑応答では、インタラクティブ配信の使用料に関するNMRCとの協議の状況についてなどの質問が出されました。




平成11年度の徴収額は989.7億円

平成11年度の使用料等徴収額は、総額で989億7,590万円、前年度に比べ4.8億円、0.5%の増となりました。徴収額の分野別内訳と前年度比は次のとおりです。

分 野 別 徴収額(単位は億円) 前年比
演 奏 358.1 105.7%
録 音 505.8 97.5%
出 版 26.8 110.7%
貸 与 44.5 94.2%
複 合 46.0 94.8%
私的録音補償金 8.2 120.2%

種目別の内訳では、重点事業の『演奏』の「カラオケ」が「5坪まで店」からの徴収開始以来、 順調に徴収額を伸ばし、前年度実績を15.9億上回る158.2億円。特に、大阪地区で集中的な契約督促業務を実施、併せて行ったテレビCM、ラジオ番組の提供などの効果もあり、契約率をアップさせて徴収増に大きく貢献しました。 また徴収額の中で最も大きな割合を占める『録音』の「オ−ディオディスク(CDなど)」は、800万枚を超えるセールスを記録した宇多田ヒカルのアルバムなどメガ・ヒットがあったもののミリオンセラーのタイトル数が前年より減少したため、前年より18.5億円マイナスの377.5億円にとどまりました。

また、全体に占める割合は大きくありませんが、携帯電話への着信メロディの入力方法を説明した、いわゆる「着メロ本」が数多く出版されたことにより、『出版』は前年度比110.7%と伸びをみせました。

私的録音補償金は、MDの売上げが好調で前年比120.2%の8.2億円を、私的録音補償金管理協会(SARAH)からJASRAC受領分として受領しました。



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