吉田元会長が逝去

 吉田元会長が6月10日、肺炎のため都内の病院で逝去されました。77歳でした。
「異国の丘」で作曲家としてスタートした吉田元会長は「有楽町で逢いましょう」「誰よりも君を愛す」「いつでも夢を」等々戦後日本の歩みとともにあるヒット曲を次々と送り出す一方、後進の育成や日本作曲家協会の会長として作家の地位向上、著作権擁護にも尽力されました。
JASRACにおいても評議員6期、理事3期を務め、平成元年10月から同6年2月まで会長の要職にありました。
 吉田元会長の葬儀・告別式は6月13日、文京区大塚の護国寺桂昌殿で営まれ、音楽関係者など1300人が参列しました。

‘98 JASRAC賞贈賞式

 5月20日の記者懇談会で発表された‘98 JASRAC賞の贈賞式が、6月17日、総会終了後、けやきホールにおいて開かれ、受賞した作家、音楽出版者などが出席しました。

 式では、遠藤会長から金賞(「CAN YOU CELEBRATE?」)受賞者にトロフィーと賞状、副賞が贈られたほか、各賞の表彰が行われ、加戸理事長から金・銀・銅賞の製作 ・販売レコード会社に感謝状と記念品が贈られました。また日本作詞家協会賞が松井由利夫同協会副会長から、日本作曲家協会賞が平尾昌晃同理事から、それぞれ贈呈されました。

 受賞者を代表して挨拶に立った国際賞「美少女戦士セーラームーンBGM」作曲の有澤孝紀氏は、「こんな晴れがましい席に顔を出すことはめったになく、光栄に思う。僕の書いた曲を世界中の子どもたちが聴いていてくれると思うと、大変うれしいが、ちょっとくすぐったい気もする。今回の受賞は、技術、内容の水準が非常に高い日本のアニメーションのパワーに支えられたもの。この場をかりて、セーラームーンのスタッフにお礼を言いたい」と喜びの言葉を述べました。

 この後、出席した受賞者に遠藤会長、加戸理事長などが加わり、恒例の記念撮影が行われました。

 当日出席し、賞を受けたのは次の方々。

株式会社フジパシフィック音楽出版

朝妻一郎代表取締役

《金賞:音楽出版》

株式会社プライム・ディレクション

松浦勝人代表取締役、他2名

《金・銀賞:音楽出版》

株式会社ライジングパブリッシャーズ

春日たかし専務取締役

《金賞:音楽出版》

エイベックス株式会社

依田巽代表取締役

《金・銀賞:レコード製作》

 

日本クラウン株式会社

盛光恵雄第2営業部長

《金・銀賞:レコード販売》

株式会社バーニングパブリッシャーズ

渋谷江美氏

《銀・銅賞:音楽出版》

株式会社エクスタシー音楽出版

高梨洋一事業本部長、他1名

《銅賞:音楽出版》

ポリドール株式会社

折田育造代表取締役

《銅賞:レコード製作》

ポリグラム株式会社

田多準司専務取締役

《銅賞:レコード販売》

有澤孝紀氏

《国際賞:作曲》

株式会社テレビ朝日ミュージック

西尾武彦代表取締役、他1名

《国際賞:音楽出版》

M日音

村上司代表取締役

《外国作品賞:音楽出版者代行》

愛知県・豊橋市から修学旅行生が来会

 6月12日、愛知県豊橋市立羽田中学校の3年生6名が来会しました。羽田中学校では修学旅行の一環として、社会への関心、また労働の意義や生き方についての考えを深めることを目的に、毎年企業の本社や官公庁などを訪問しており、訪問先は、担当教諭の準備した複数の企業・団体の中から選んでいます。JASRACを選んだのは、いずれも音楽好きな女子生徒6名。

 生徒たちは、本部理事会室で広報部員から著作権全般、またJASRACの概要について、身近な話題を交えた説明を受けたほか、本部事務所内を見学、作品データベースでB’zやCharaなど、人気アーティストの作品検索をリクエストしました。

 質疑応答では、CDに適用される規定の取扱いに関し、シングルとアルバムの違いや自主制作盤についての質問が出され、生徒たちは職員の説明を熱心に聞き入っていました。

頒布権について意見書を文化庁に提出

 JASRACは6月9日、文化庁文化部・吉田著作権課長宛に頒布権に関する意見書を提出しました。

 「頒布権」とは、無断複製物、権利者の許諾を得て合法的に製作された複製物を問わず、その頒布を権利者がコントロールできる権利。わが国の著作権法では映画の著作物だけに認められていますが、1996年12月に採択された「WIPO著作権条約」にすべての著作物を対象とする頒布権が規定されたのを受け、著作権審議会第1小委員会では同条約を批准するための頒布権導入を審議、関係団体から意見を聴取しています。

 意見書では、国内生産されたレコードの普及・伝播などが、廉価盤の輸入により阻害されている現状を説明、国内の音楽関係者を実質的に保護するには、少なくとも海外で製作された廉価盤を日本地域で頒布することに対し、国内の権利者の許諾を要することなどを定めた頒布権の創設が必須であると結論づけ、米・英・仏・独などをはじめとするほとんどの国において、すでにこのような権利が設けられていることを報告しています。

 JASRACの要望する頒布権が導入された場合、海外で製作された廉価盤の輸入が規制されることとなりますが、意見書ではこの要望を、より平等な立場における自由競争に基づいた市場原理を尊重しながらも、他国の文化を害することなく文化財の国際流通を促進させようとするものであるとしています。

不正商品対策協議会が「ほんと?ホント!フェアin 青森」を開催

 JASRAC、芸団協、日本レコード協会など9団体で構成される不正商品対策協議会は、毎年5月、警察庁の「消費者被害防止活動強化月間」にあわせ、不正商品防止キャンペーンを実施しており、今年は23、24日の両日、青森市のサンロード青森で「ほんと?ホント!フェアin 青森」を開催、知的所有権保護の大切さをPRしました。

 会場では、ブランド品やCDなどの本物と偽物の比較展示コーナー、「悪徳商法」をテーマにしたパネルコーナー、ビデオ上映などたくさんの催しが行われ、スタンプ式クイズラリーのコーナーでは、JASRACと日本レコード協会がカラオケ教室での海賊版テープを展示、不法録音物に対する注意を促すなど、不正商品撲滅を広く呼びかけました。

CRICが論文募集

 著作権情報センターCRICでは、著作権法施行100周年を記念して、著作権・著作隣接権に関する論文を募集しています。締切りは来年3月31日。

 これはCRICが、私的録音補償金管理協会SARAHからの委託事業として、次世代を担う著作権法制の研究者・実務者の研究を奨励し、著作権法制の適切な発展を期することを目的とした「著作権・著作隣接権論文」の2回目の企画として募集しているもので、著作権法制上の諸問題であればテーマは自由。広く一般から募っています。

 詳細についてはCRIC(Tel03-5353-6921)まで。


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