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プレスリリース

2019年6月 7日
一般社団法人日本音楽著作権協会
(JASRAC)

CISAC総会における決議事項
-「私的録音録画補償金制度」の機能回復に向けて-

63日付プレスリリースのとおり、530日、35年ぶりに東京で開催されたCISAC(著作権協会国際連合)総会において、とりわけ日本に関係の深い著作権制度に係る喫緊の課題の一つである私的複製補償金制度に関する決議が採択されました。

その内容は、日本における形骸化した私的複製補償金制度(日本の場合は「私的録音録画補償金制度」)の機能回復に向けて、JASRACの主張・活動等をCISACが全面的に支持し、日本政府に対して、機能的で公平な私的複製補償金制度を構築することを求めるものとなっています(原文・和訳

この背景には、日本における私的録音録画補償金の総額が、40億円を超えた2000年をピークに下降し、2012年には録画補償金が消滅、現在では録音補償金が数千万円に留まっている事実があります(下図参照)。

531CISACJASRAC合同記者会見 配布資料

理由は、日本における補償金の対象となっている機器・媒体が、私的録音の場合、既に一般的に利用されていないDAT、DCC、MD等のみを対象にしていること、また私的録画については、現在市場に流通していない、アナログデジタル変換した映像を録画する機器のみが対象となっているからです。一般に広く利用されているポータブルオーディオプレイヤー、ハードディスク内蔵型ブルーレイディスクレコーダーなどは、現在も補償金の対象とはなっていません(下図参照)。

531CISACJASRAC合同記者会見 配布資料

一方でCISAC加盟団体全体の私的複製補償金の総額は、日本円にして数百億円規模に達しており、現在も増加傾向にあります(下図参照)。

5月31日 CISAC・JASRAC合同記者会見 配布資料

国際状況に目を向けると、現在、OECD(経済協力開発機構)に加盟している国の多くで、私的複製補償金制度が導入されています(下図参照)。

531CISACJASRAC合同記者会見 配布資料

さらに音楽著作権管理団体の徴収額に占める補償金の割合を見ると、ドイツ、フランスをはじめとする多くの国において、同制度が実質的に機能していることがうかがえます(下図参照)。制度が形骸化してしまった日本の場合は、主要国に比べ100分の1以下となっています。

5月31日 CISAC・JASRAC合同記者会見 配布資料

個人一人ひとりが家庭内において、著作物を許諾手続きなく複製できる自由を保証する一方で、メーカーの協力のもと、著作者に適正な対価を還元することができる本件制度の趣旨に多くの国が賛同し、実際に著作者への対価還元を実現させている中、アジア地域の手本になるべき日本の現状を、各国の著作権管理団体は看過できず、このたびのCISAC総会では「世界中の創作者にとって重大な損失である」との認識で一致しました。

CISAC総会の翌日31日に開かれたCISACJASRAC合同記者会見では、これらの内容を浅石道夫JASRAC理事長(CISAC理事会副議長)が説明するとともに、ジャン・ミシェル・ジャールCISAC会長が「私的複製補償金制度は著作者と大手企業との利益の調和を図る一つの方法であり、迅速な対応が求められている」と訴えたほか、ガディ・オロンCISAC事務局長が「世界的に私的複製補償金は著作者にとって大きな収入源である。ただ、日本での補償金は非常に少ない。市場の変化に応じた補償金制度の改定を求めてきたい」と説明しました。

右から浅石JASRAC理事長(CISAC理事会副議長)、ジャン・ミシェル・ジャールCISAC会長、
ガディ・オロンCISAC事務局長

会見の質疑では、報道関係者から「現在はサブスクリプション型の聴き放題サービスが増えている。複製行為を根拠に補償金を徴収する仕組みが有効なのか、時代に合わせた新しい制度も必要ではないか」との質問に対し、浅石理事長は、日本の現状として「諸外国と比べ、日本の音楽市場はまだフィジカル(CDDVD等の複製物)の割合が多い。世界のフィジカルの売り上げの46%が日本である」と説明、早急な機能回復が求められると、出席した報道陣に理解を求めました。

JASRACは、会見時に浅石理事長が表明したとおり、文化審議会・著作権分科会(著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会)での論点整理、見解を尊重するとともに、補償金の対象を拙速に「複製」全般に拡大することを求めず、まずは「録音」「録画」に係る専用機器(補償金の対象として政令指定されていないポータブルオーディオプレイヤー、ハードディスク内蔵型ブルーレイディスクレコーダーなど)が対象となるよう、CISAC総会の決議を踏まえて、各方面にはたらきかけてまいります。


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