2011年5月25日
一般社団法人日本音楽著作権協会
(JASRAC)
違法音楽配信サイト「第③世界」の運営者他に対して
著作権侵害による損害賠償金の支払いを求める訴訟を提起
JASRACは、本日、違法音楽配信サイト「第③世界」の運営者らに対して、JASRACの管理楽曲を無断で配信利用し、著作権を侵害したことによる損害金1億7,000万円余りの支払いを求める訴えを東京地方裁判所に提起しました。
「第③世界」は、約2万曲ものJASRACの管理楽曲を無断で不特定多数の者にダウンロードさせていた携帯電話専用サイトであり、ユーザー数も100万人を超える国内最大規模の違法音楽配信サイトでしたが、その運営者らは2008年に京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室により、著作権法違反の容疑で摘発され、京都地方裁判所において有罪判決が確定しています。
「第③世界」の運営者は、アフィリエイト広告等による収入として約1億2,000万円もの多額の不正な収入を得ており、刑事事件の公判において、その収入を被害弁済に充てるとして情状酌量を求めていたにもかかわらず、一向に損害金の支払いをしないため、今回の提訴に至ったものです。
なお、今回の提訴では、「第③世界」に対しレンタルサーバーを提供することにより運営者らの著作権法違反を幇助していた株式会社エーウォーカー(本社:兵庫県神戸市)及びその取締役であった者に対しても、運営者と連帯して損害金の支払いを求めています。「第③世界」は、株式会社エーウォーカーが運営する携帯電話向け無料ホームページ提供サービス「モバイルスペース」(http://m-space.jp/)を利用してサイトのページを構築していたもので、同法人は、「第③世界」において違法配信が行われていることを認識しながら、サービスの提供を継続していたものです。
近年、不正な広告収入を得る目的で違法音楽配信サイトを開設する者が後を絶たず、違法配信の温床となっているため、JASRACは、広告関連事業者等と違法音楽配信対策及びアフィリエイト広告事業の健全化推進のための協議を継続しております。
JASRACは、今後も引き続き、インターネット上の違法配信に対し注意・警告を行うとともに、適法な音楽利用促進のため、広報活動等を通じて著作権の啓発に努めてまいります。
以 上
【「第③世界」著作権法違反刑事事件経過 】