2003年12月17日
社団法人日本音楽著作権協会
音楽ファイル交換サービスの著作権侵害
東京地裁が終局判決で差止めと損害賠償を認容
東京地方裁判所は、本日(12月17日)、インターネットを利用して音楽ファイルを無料で交換させるサービス「ファイル
ローグ」の運営者である有限会社日本エム・エム・オー(東京都八王子市)に対して音楽ファイルの送信差止めを命じた上、同社及びその代表者松田道人氏に対
して著作権侵害による損害賠償金の支払を命ずる判決を下しました。 JASRAC(社団法人日本音楽著作権協会)は、昨年2月28日、同社らを被告として音楽ファイルの送信差止めと損害賠償金の支払を求める本案訴訟を提起 しました。東京地方裁判所は、本年1月29日、被告日本エム・エム・オーらの著作権侵害と被告らの連帯責任を認める中間判決を下しました。 本判決は、先の中間判決とともに、インターネットを利用した著作物の流通が増大する中において、ファイルローグを利用した違法な利用形態に対して明確に 著作権侵害を肯定し、差止めと損害賠償の双方を認容した点で、IT時代における著作物の適正な利用秩序を確立する画期的な判決として高く評価することがで きます。また、損害賠償金については、JASRACが文化庁長官に届出た使用料規定の合理性を認めた上で、当時のインターネットをめぐる技術的環境を前提 として、現実にダウンロードすることができた音楽ファイル数をも勘案して、形式的に使用料規程を適用して算出される使用料額の概ね10分の1に相当する 3000万円をもって使用料相当損害額と判断しました。 音楽の創作に対して何の対価も支払わないファイル交換等による違法行為は、音楽創造のサイクルを枯渇させ、音楽文化の衰退を招来する結果となります。本 判決がこのような傾向の歯止めとなり、多くの人々が今後、インターネット上の著作権ルールに一層の関心と注意を払っていただけるものと思います。また、本 判決は、ネットワーク時代の著作権保護の国際的要請にも応えるとともに、知的財産立国を目指す現在のわが国において非常に重要な判決であり、国際的にも高 く評価されるものと思います。 JASRACは、インターネット上の違法な著作物利用に対し、独自の監視システムやプロバイダ責任制限法などを活用して、法的な側面から厳しい姿勢で臨 み、今後とも著作権保護に全力を注ぐとともに、著作物利用の円滑化に向け、技術的な側面からも、電子透かし技術の普及、簡便な利用許諾システム JASRAC NETWORCHESTRA SYSTEMのさらなる活用等の諸施策を推進して参ります。引き続きご理解・ご協力を賜りますようお願いいたします。 |
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以 上 | ||||||||
【参考資料】 |
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