音人工房

JASRAC 日本音楽著作権協会

第7回 zopp

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Vol.3 作詞家を育てる使命

アイドルからアニメまで幅広い作品を手掛けていますが、ジャンルごとに作詞の方法は異なりますか?

zopp:特に違いはありません。「男性なのによく女性の気持ちが分かりますね」と言われることがありますけど、そもそも男女の間でそこまで考え方が変わらないような気がしています。時代の流れで徐々に男性が女性化し、女性が男性化している世の中で、今ちょうどニュートラルな状態になりかけている気がします。僕は女心を分かっているつもりもないし、思ったように書いているだけです(笑)。違いがあるとすれば、それぞれがそこにたどり着くまでの過程やストーリーの違いだけなんでしょうね。気持ちそのものは男女ともに喜怒哀楽の範囲に収まるでしょうから。

これまで手掛けた楽曲の中で、特に印象に残っている作品はありますか?

zopp:やっぱり『青春アミーゴ』ですね。それまで、アルバム曲しか手掛けてこなかったので、初めて書いたシングル曲でした。TVのプロデューサーや制作チーム、アーティストご本人からもたくさんのご意見をいただいて。「いったいどうすれば良いの?」というくらい悩まされたこともあり、とても印象に残っています。苦労のかいもあって、あの作品を書いて以来周りからの見られかたも変わりましたし、任される仕事も大きくなりました。

作詞の醍醐味を教えてください。

zopp:誰でも書けることですね。秋元康さんもおっしゃっていましたけど、作詞に答えはありませんから。替え歌なんかでも、みんな自然に作詞しているわけですし。ただ、マラソンと同じで走ることは誰でもできるけど、誰でもできるからこそプロになるのは難しいです。もっといろいろな人が作詞で活躍できるように、「zoppの作詞クラブ」という作詞について直接教える場を開講しました。

なぜ自分で作詞家を育成しようと考えたのですか?

zopp:今は昔に比べると作詞家の立場が軽く見られているような気がします。僕が25歳で『青春アミーゴ』を書いて、あれだけたくさんの方々に聴いていただけて。神様からの啓示じゃないですけど、「しっかりやれよ。若い間にこれだけチャンスをあげたんだから。お前はしっかり作詞家というものを磨き築いていくんだぞ」と言われたような気がしました。

最近はアーティスト自身が作詞することも増え、職業作詞家が減ってきたように思います。この現状をどのように受け止めますか?

zopp:良いことだと思います。作詞家に求められることがより明白になりますし、作詞家でいられることは当たり前ではないという刺激にもなります。作詞家だけで切磋琢磨することが芸術ではないし、エンターテインメントビジネスとしてその現実を捉えないといけないと思います。結局、僕たち作詞家にしか書けない作品をきちんと書いていけば良いのですから。

「zoppの作詞クラブ」で最も力を入れて指導しているのはどのようなところですか?

zopp:個性ですね。例えば、アメリカには飛び級という個性を伸ばすための文化があります。日本は、みんなで同じ時間を過ごしなさいという方針なので、徐々に個性が失われてしまう気がしています。そして、それが作詞にも影響しているように感じられます。作詞家を目指すのであれば、個性を生かしながらどういうことをやりたいのかを明確に持ってほしい、という話をしています。

昨年11月に初めて小説を出版したzoppさんですが、作詞とは大きく異なるものだったのでしょうか?

zopp:小説には、たくさんのルールがあったり、日常会話であまり使われない言葉を使わないといけなかったりします。マラソンに例えれば、短距離走と長距離走の違いのような感じでしょうか。言葉という筋肉を使うことは共通しているけど、瞬発力や持久力などの求められかたに違いがあります。これまでに手掛けた歌詞がモチーフとなっている部分もあり、作詞家zoppにしか書けない小説が完成したと思います。

JASRACオリジナルキャラクター
「ジャスラ」のぬいぐるみと一緒に

普段著作権について考えることはありますか?

zopp:よりたくさんの方からの理解を得るために、著作権やJASRACに入会するメリットなどを簡単に分かりやすく説明できると良いですよね。僕がJASRACに入会したきっかけは、父親から入った方が良いよ、と勧められたからでしたけど。著作権を守ることは大事なことです。JASRACはそれを守ってくれていますからね。

著作権の侵害行為についてご意見を聞かせてください。

zopp:型にはめようとするとそこから逃れようとする人がいるのは、どの業界でもあることです。JASRACのような著作権管理団体がきちんと管理する一方で非常に難しい問題です。音楽ユーザーにとって、手続きなどのシステムがもっと分かりやすくなると良いのかな、と思います。

今後このような活動をしてみたいということがあれば聞かせてください。

zopp:必要としてくれている方からの依頼だったら、有名か無名かは問わず書かせていただきたいです。ジャンルの違う人たちとも共作してみたいと思っています。特にバンドの詞を書いてみたいですね。

最後にプロを目指す若いクリエイターに対してメッセージをお願いします。

zopp:昔に比べれば世に出るチャンスはたくさんあります。動画投稿サイトもたくさんありますから。今はすぐに結果が出てしまいますけど、結果が良くても悪くてもずっと続けていってほしいと思います。一番大切なことは続ける力なんでしょうね。

(2014年3月公開)

Information

小説「1+1=Namida」
発売中(2013年11月11日発売)
http://www.1tasu1ha-namida.jp/
3月26日リリース
Kis-My-Ft2 アルバム「HIT! HIT! HIT!」
『運命Girl』
NEWS DVD/BD「NEWS 10th Anniversary in Tokyo Dome」
『BE FUNKY!』『2人/130000000の奇跡』『SUMMER TIME』
『Fighting Man』『サヤエンドウ』『裸足のシンデレラボーイ』『恋のABO』
発売中(2014年3月19日発売)
Kis-My-Ft2 シングル「光のシグナル」
『ずっと~You are my Everything~』
発売中(2014年3月5日発売)
ももいろクローバーZ DVD/BD「ももクロ夏のバカ騒ぎ WORLD SUMMER DIVE 2013.8.4 日産スタジアム大会」
『上球物語 -Carpe diem-』
発売中(2014年1月29日発売)
Kis-My-Ft2 DVD「SNOW DOMEの約束 IN TOKYO DOME 2013.11.16」
『運命Girl』『Catch Love』
発売中(2014年1月29日発売)
Sexy Zone アルバム「Sexy Second」
『Congratulations』
発売中(2014年1月29日発売)
テゴマス アルバム「テゴマスの青春」
『ハルメキ』『タイムマシン』
発売中(2014年1月22日発売)
Hey!Say!JUMP DVD「全国へJUMPツアー2013」
『OVER』
発売中(2013年11月13日発売)
中川かのん starring 東山奈央 アルバム「Colors」
『青春パラダイス』『かのん100%』『君色ラブソング』『夏色サプライズ』『サマーボーイ』
『ろまんてぃっく愛情』『秋色片想い』『瞳からスノー』『恋に落ちたサンタ』
『バレバレ・バレンタイン』『桜色卒業』『歩いていくもん』
発売中(2013年10月30日発売)
http://db2.geneonuniversal.jp/contents/hp0004/list.php?CNo=4&AgentProCon=21423

Present

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