音人工房

JASRAC 日本音楽著作権協会

第4回 Jeff Miyahara

Profile

これまでJUJU、JAY'ED、西野カナ、JASMINEなどを代表したプロデュース作品は数々の受賞を獲得し、2,800万デジタル&CDセールスの実績を誇る。今、日本で最も注目されている作曲兼音楽プロデューサーの一人である。また、ボーイズ II メンや少女時代、シェネルなど、世界のトップクラスのアーティストとの仕事を通じ、海外にも活躍の場を広げている。ロサンゼルスで生まれ、日韓のハーフという多文化・多言語的なバックグラウンドから生み出される楽曲やその音楽センスは文化や言語の壁を超える力も持っている。2010年9月からJASRACメンバー。

アンケートにお答えいただいた方の中から抽選で4名様にJeff Miyaharaさんのサイン入りUSB MIDIキーボードをプレゼントいたします。

※応募は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました!

Jeff Miyaharaさんへのインタビュー取材の様子をニコニコ動画「JASRACちゃんねる」で公開中!

ニコニコ動画 JASRACちゃんねる

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Vol.1 ホテル専門学校で学んだ“おもてなし精神”が今の自分の強みに

まずJeffさんが子どもの頃に興味を持っていた音楽について教えてください。Jeffさんの作品はR&B系のイメージが強いんですが、昔からそういう作品に触れてきたんですか?

Jeff:僕は日本人と韓国人のハーフとしてアメリカのロサンゼルスで生まれて、ずっとロスで育ってきました。ロスにはいろんな音楽が溢れていてたので、本当にいろんなジャンルの音楽に影響を受けてきましたね。母親は1970年代の音楽がすごく好きで、幼い頃はビートルズやカーペンターズ、フリオ・イグレシアスとかを聴いて育ちました。それと、日本の歌謡曲ですね。80年代の五輪真弓さんとかを結構聴いてました。アメリカって車社会なので、よく車の中で聴いてましたね。パンクロックが好きな時代はイギー・ポップやザ・クラッシュ、ブラック・フラッグといった斬新なものばかりが好きで。自分の中でパンクが流行ってるときは、全身パンクの格好してましたね。ヒップホップも大好きで、未だに崩せないスタイルが丸坊主です(笑)。僕が作る作品は“刹那系”とか“泣き歌”とか言われることが多いんですけど、実は昔はロックやヘビメタとかギター中心のラウド系の音楽のほうが好きでした。

なぜギターだったんですか?

Jeff:ガンズ・アンド・ローゼスっていうバンドがデビューして。今まで聴いていたクールでシックな感じの音楽とは全く違って、ワイルドで「めっちゃ叫んでるじゃん!ギターってかっこいい!」って思った瞬間がありまして。そのとき僕は13歳、思春期とともにそれがきて、ピアノとかじゃなくてワイルドなギターがいいなと思ったんです。

アメリカでバンドも組んでいたんですか?

Jeff:そうですね。アメリカの家って必ずガレージがあるんですよ。週末になると車を出して、そこにドラムキット、ベースアンプ、ギターアンプ、PAを入れてガレージバンドをやってましたね。当時はそれが一番の楽しみでした。

アメリカならではですね。

Jeff:かっこよかったですよ。バンドをやりだしたのは14歳、15歳の頃ですね。フリーペーパーに「ヴォーカリスト募集中」って載っているのを見つけて、そこに書いてあったジャンル感が自分に合っていたので、電話して会いに行ったら、僕がアジア人だったので少し驚かれました。でも「とりあえず一回スタジオにおいでよ」って言われてスタジオ行って、「適当に弾くから、適当に歌ってよ」って言われて、歌ってみたら「お前最高じゃん」ってなって。アジア人でもアメリカの音楽シーンに混ざることができたと実感できた初めての体験でしたね。

日本にはいつ頃来たんですか?

Jeff:アメリカの高校を卒業して、94年に一度日本に来ました。親はハーバードとかイェールとかスタンフォードとか一流の大学に進学してほしいという希望があったみたいですけど、見事に全部受からず。「アメリカで一流の学校に行けないなら、日本で一流の学校に行きなさい」って言われて。それで、上智大学に願書を送ったら入学することができたんです。でも、2年後に辞めてしまいました(笑)。

なぜ辞められたのですか?

Jeff:ロスも楽しかったんですけど、日本も楽しくて。東京は電車でどこでも行けるのがよかったし。あと、日本のペースがすごく早くて僕は好きでした。日本の元気な、活発な感じがすごく好きで、昼の学校よりもアルバイトのほうが楽しくなっちゃって。それで辞めてしまった感じですね。

その後はどうしたんですか?

Jeff:なぜかオーストラリアのホテル専門学校に通うことになりました。2年間しか学ばなかったですけどね(笑)。その学校では、ホテルを経営する勉強をずっとしてました。結果として今の自分にはその経験が一番よかったなって思ってます。音楽プロデュースをする中では、いろいろな価値観を持ったクライアントさん、アーティストさん、マネジメントさんと接する機会があるんですけど、そういう人たちとどんな環境にいても、ホテルのちょっとしたサービス精神のような感じで、それぞれの立場に気持ちを寄せることができているので。

「お客様を立てる」という精神ですね。

Jeff:そうですね。僕はアーティストとの“共作”が多いんですよ。和気あいあいではないですけど、皆さんと一緒に作りあげる作業を大事にしていて。しゃべりが苦手な人でも、自分を表現するのがあまり得意じゃない人でも、作詞、作曲をしたことがない人でも、それを引き出すのがプロデューサーの腕の見せ所じゃないですかね。それにはすごくホテル専門学校で学んだことが活きていると思います。打ち上げだったり、食事に行くときも“おもてなし”が僕はすごく好きなんです。ここのスタジオで曲を作って、終わった後にみんなで食事をするっていうのが大好きなんですよね。

オーストラリアにいたJeffさんが日本で活動を始めるまでの経緯は?

Jeff:ホテル専門学校の授業の一環で必ず実際のホテルで仕事をしなければいけないという、インターンシップがあって。オーストラリアにいたときは韓国人の留学生が多かったこともあって、この頃韓国に興味があったんですね。それで、ホテルで仕事をするんだったら、おもいきって韓国のホテルに行ってみようと、韓国のルネッサンスホテルで3ヵ月間働いていたんです。そのときある人に「君、絶対韓国人じゃないでしょ?」って英語で話しかけられて、少し会話をした後「今度遊ぼうよ」って名刺を渡されたんです。すごく不思議な出会いだったんですけど、その後また別の場所でその人と偶然出会って、そこから繋がりが大きく広がっていきました。その人の紹介でニューヨークとかロスで育った韓国人の仲間の中に入れさせてもらって、いつの間にか僕も深夜に音楽スタジオとかで、ラップをやったり歌を歌ったりして遊ぶようになったんです。ホテルで僕に声をかけてきた人は、今韓国の世界的に有名なIT企業の社長になっているんですよ。

すごい出会いですね。

Jeff:僕がオーストラリアに戻ってから、ある日その人から電話があって「今度IT企業を立ち上げるからおいでよ。音楽作れるんでしょ?僕はこれからSNSを立ち上げるから、そこで使う音楽が5曲ぐらい必要なんだ。予算はこれぐらいある。君が引き受けてくれるなら僕は今すぐお金を送金するから、曲を作って送り返してくれ」って言われて、ずっと迷っていたんですけど「はっきりしてくれ!」って言われた次の瞬間に「やります!」って言っちゃって。でも、お金をもらったところでどうやって曲を作っていいかよくわからないわけですよ。それでオーストラリアの楽器屋さんを訪ねて、「曲を作りたいんですけど、プロデューサーを紹介してもらっていいですか?」って聞いて回って。よくわからなかったんですけど、プロデューサーに会えばなんとかなるんじゃないかなって思ってて。そこで紹介してもらったプロデューサーに会いに行って事情を説明すると「じゃ、来週おいでよ。僕たちで一週間かけて作ろう」って言われて、その人の自宅のスタジオに行ったんです。お互い意見を出し合いながら、5日後に見事に5曲を作ることができて。僕がそこで学んだのは、そうやって人とコミュニケーションを取りながら音楽を作るということと、あと今はコンピューター時代なんだっていうことがわかって、パソコンとかシーケンサーについて学びました。そして、そのとき僕はプロデューサーになりたいと思ったんですよね。

作曲をしたのはそのときが初めてだったんですか?

Jeff:お金をもらって仕事をしたのはそれが初めてでしたね。で、その曲ができて韓国に呼ばれて、99年に韓国に行ったんです。でも、当時の韓国は経済危機に陥っていて、IT業界への投資が全部ストップされてしまったんです。僕は職を失って、昼は英会話の先生をやりながら、夜はスタジオでセッションとかラップとかをやらせてもらっていました。そのときはすごくサバイバルな生活でしたね。今日はラーメンを食べられるかどうかっていう生活をしていたんですが、あの経験はよかったと思います。

Information

2013年4月20日(土)・21日(日)の2日間、川崎市で開催される『第9回 音楽のまち・かわさき アジア交流音楽祭』のメインステージへの出演が決定!
昨年に続き今年のメインステージには、Jeff Miyaharaさんを総合プロデューサーに迎え、アジアの実力派アーティストが川崎に集結します。
東日本大震災の影響による被害を受け、休館を余儀なくされた「ミューザ川崎シンフォニーホール」も復旧が完了し、4/1に待望のリニューアルオープン。優れた音響が復元されたステージで、アジアの実力派アーティスト達が、観客一人一人の心に響く圧巻のパフォーマンスを繰り広げます。

「第9回 音楽のまち・かわさき アジア交流音楽祭」メインステージ

  • 開催日時:2013年4月20日(土) 開場17時00分 / 開演17時30分(予定)
  • 開催場所:ミューザ川崎シンフォニーホール(TEL:044-520-0100)
    <川崎市幸区大宮町1310(JR川崎駅西口直結、徒歩3分)>
  • 出演アーティスト(予定、順不同):
    J-Min[韓国] / TWIN CROSS[沖縄(日本)] / クリス・ハート[日本] / Le Velvets[日本] / 阿福[台湾]
    *主催者およびアーティストの都合により出演者が変更になる場合があります。
  • 入場券:座席指定 S席 ¥8,400 / A席 ¥7,350
    tvkチケットカウンター・ぴあ・ローソン・eプラスほかで発売中

■プロデュース:Jeff Miyahara
■運営:キョードー横浜 ■制作:ヤマハエーアンドアール ■制作協力:キョードー東京
■協力:川崎地下街アゼリア / ミューザ川崎管理組合 / ラゾーナ川崎プラザ / ラ チッタデッラ / アトレ川崎 / 川崎市商店街連合会青年部 / 川崎砂子会協同組合 / 川崎銀座商業協同組合
■ホームページ:http://www.tvk-yokohama.com/asia/

Present

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