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プレスリリース

2006年5月17日
社団法人日本音楽著作権協会
(JASRAC)

2006年定例記者会見を開催

1. コンテンツ流通促進に向けた取組み


   昨年6月に政府が発表した「知的財産推進計画2005」を受けて、権利情報やコンテンツ情報の構築と情報の共有化等、円滑な権利処理に向けた取組みが民間でも進行しています。
 権利者・製作者団体など35団体で構成する「デジタル時代の著作権協議会(CCD)」が2005年4月13日に開催したシンポジウムで、CCDの著作権ビジネス研究会の主査を務めるJASRACの役員が、コンテンツの流通促進に向けて権利情報の共有化を実現するための取組みを報告しました。この権利情報の共有化を実現するためのポータルサイトを整備するため、日本経済団体連合会(経団連)がエンターテインメント・コンテンツ産業部会内にコンテンツ流通促進分科会を設置し、JASRACからも役員が出席しています。
 総務省が後援し、放送事業者、権利者団体、通信事業者等10団体・15社が参加する「ユビキタスネット流通に向けた権利クリアランス協議会」(昨年8月発足)の検討にも役員が参画し、放送番組のストリーム配信に関する権利処理ルールの確立にも努めました。
 JASRACも65年を超える著作権管理の実績から得た経験やノウハウを新しい仕組み作りに役立てるべく、これらの取組みに、積極的に参加してきました。円滑なコンテンツ流通に向けた基盤整備をより具体的なものとすることが取りも直さず著作物の創作の支援に繋がると確信し、今後も引き続き、協力し、貢献していきたいと考えています。

2. ネットワーク上の音楽利用への対応


 
(1) ポッド・キャスティングの手続きについて利用者代表と基本的な合意


   これまでも、ポッド・キャスティングでの音楽利用については、JASRACは1曲ごとの許諾をすることができましたが、利用者の皆様からの強い要請もあり、番組単位での許諾ができるような新しい取り扱いを設けることになりました。再生期間を限定したダウンロードサービスの取り扱いとともに、既に利用者代表と基本的な合意をしており、まもなく実施する予定です。


(2) 放送番組のストリーム配信について暫定料率の適用を延長


   昨年(2005年)、日本経済団体連合会 利用者団体協議会が各著作権等権利者団体と確認した暫定料率については、本年3月で確認期間が満了しましたが、JASRACはこの暫定料率の適用を延長することを決定し、関係団体に通知しました。
 この措置は、暫定料率が確認されて1年が経ちますが、実際には放送番組のストリーム配信は進捗せず状況が変わっていないことと、既に許諾をしている他のストリームサービスの許諾条件に急な変更をもたらすことを避け、利用者との間の円滑な手続処理に支障を生ずることがないように配慮したものです。

3. 国際活動


 
(1) 中国からの著作権使用料が大幅に増加しました。


   中国の音楽著作権協会(MCSC)への支援・連携強化により、同団体からの著作権使用料が大幅に増加し、前年度の6倍を超える約630万円の送金がありました(前年度は約100万円)。今後とも連携を強化し、管理の充実に協力していく方針です。


(2) 海外からの調査団・研修生等を積極的に受け入れました。


   アジア地域を中心に世界24カ国2地域から、前年度の1.5倍にあたる121人が来会し、意見交換や研修等を行いました。


(3) 外国団体との協議・協力を推進しました。


   WIPO(世界知的所有権機関)と文化庁の共催により1月にモンゴルで開催されたセミナーへ、職員を講師として派遣したほか、ソウルの日本大使館公報文化院日本音楽情報センターとPROMIC(音楽産業・文化振興財団)が6月に実施した「日韓著作権ビジネスシンポジウム」、また経済産業省との連携のもと、11月に北京で実施された「中国音楽産業知的財産研修」にも講師を派遣しました。
 中国における知的財産権保護強化に関しては、4月に実施されたIIPPF(国際知的財産保護フォーラム)の官民合同訪中団にも参加しています。


*JASRACが管理契約を結んでいる著作権管理団体数:111団体(81カ国4地域)
2006年3月31日現在

4. 著作権保護期間延長への取組み


   保護期間の延長については、文化的、国際的視点からこれを論ずる必要があります。作品の文化的価値と保護期間の長短とは関係ありません。著作者の没後何年であろうと、優れた作品に対する人々の敬愛の情に変わりはないはずです。また、永く人々に愛され記憶される作品は、創作される作品数全体からすれば極めて僅かなものです。であるからこそ、これら限りある文化資産が少しでも多く生み出され、そして後世の人々が享受できる資産を少しでも豊かにするための著作権制度が必要です。そのためには保護期間の延長によって今を生きる創作者にインセンティブを与え、優れた作品が一つでも多く生み出されることを期待すべきです。
 また、各々の国が定める保護期間は、自国民の文化的知的所産に限らず他の国の作品も同様に取り扱うべきものです。その精神は相手の保護期間が50年だからこちらも50年でよいとか短い方が早く自由にただで使えるからよいとか、そのような報復的、消極的なものであってはなりません。
 こと文化に関する限り、相互主義は対抗的なものではなく、相手国が大切にする文化資産には、自国のそれと同様に、敬意を払うという互恵的なものです。国際的調和を図らなければ真の文化交流は生まれないと考え、保護期間を欧米並みに延長することを訴えます。


5. 徴収額その他


 
(1) 使用料徴収額


2年連続で1,100億円超


   著作権等管理事業法施行後も厳しい経済状況や音楽の利用形態の変容の中で、2005年度のJASRACの徴収使用料は1,135億8千万円(前年度比102.5%)となり、2年連続で1,100億円を超えました。
 利用形態種目ごとの徴収額は資料「2005年度使用料等徴収額」をご覧ください。


2005年度の特徴


   これまで好調な伸びを維持してきた「着メロ」が大幅なマイナス(前年度比78.5%)となりましたが、「着うた」が前年度比220.1%、またダウンロード形式の音楽配信も前年度比190.2%と大幅に増加しました。
 減少傾向にあったCDの生産実績が前年並みと下げ止まり、DVDビデオの生産実績及び放送使用料が堅調な伸びを見せました。


(2) 会員・信託者数等


14,000者を突破


   2006年3月末の会員・信託者数は14,087者となり、前年の同時期より490者増えました。著作権等管理事業法の施行により、他の事業者が著作権の管理事業に参入できるようになった2001年10月以降も、会員・信託者数は毎年度、 500者前後増えています。


作品届の件数が増加


   会員・信託者数の増加に比例し、国内作品の作品届の数も増えています。2002年度以降は毎年度60,000件を超えています。


管理作品の増加


   2006年4月1日時点で利用実績のあるJASRACの管理作品は約243万曲あり、このうち国内作品は103万曲です。これらのデータはホストデータベースで管理しています。


(3) プロバイダ責任制限法に基づく送信停止措置


   JASRACは、「プロバイダ責任制限法」の実効性を高めるために設けられた著作権関係ガイドラインに基づく信頼性確認団体として、2002年10月15日から各プロバイダに対し、JASRACの音楽ファイル検索エンジン「J-MUSE」で収集した違法ファイルの送信停止措置を請求してきました。2006年3月末日までにこの請求に基づいて削除されたファイル数は185,439です。
 送信停止措置の請求から侵害が停止されるまでの期間は平均10.79日です(通知書発送日を起算日とし、JASRACで確認した侵害停止までの所要日数の平均)。


(4) 文化振興、権利保護等に向けた取組み


文化審議会への参画


   文化審議会著作権分科会(第5期)は1月12日、前期と同じ3つの小委員会(法制問題、契約・流通、国際)を設置して審議を行い、1月12日に「文化審議会著作権分科会報告書」を取りまとめましたが、JASRACからも役員が委員または専門委員として、同分科会、契約流通小委員会及び国際小委員会の審議に参画していました。
 同分科会は、3月1日に第6期最初の議事を開き、3つの小委員会(法制問題、私的録音録画、国際)の設置等を決定しました。また、法制問題小委員会の下に、前期に引き続き3つのワーキングチーム(デジタル対応、契約・利用、司法救済)が置かれることになりました。JASRACの役員は、引き続き委員または専門委員として、同分科会および国際小委員会の審議に参画しています。


私的録音録画補償金の見直しに向けた取組み


   iPodなどのハードディスク内蔵型録音機器等が私的録音補償金の対象とされず、補償金制度の実効性が損なわれている問題の解決に向け、JASRACは7月28日、音楽関係7団体で共同記者会見を行い、7団体の声明文を公表しました。
  8月3日にはJASRACの役員が、衆議院文部科学委員会で、参考人として「早急に追加指定し、補償金制度の機能を維持することが消費者、メーカーおよび権利者の利益のバランスをとり、文化芸術の振興にもつながる方策である」という見解を述べました。
 その結果、2006年1月、文化審議会著作権分科会は、ハードディスク内蔵型録音機器等を現時点で補償金の対象とはしないが、パソコン等汎用機器を含め、2年後までに抜本的に制度を見直すとする報告書をまとめました。
 JASRACは、2008年度までに行われる同制度の抜本的な見直しに向けて、著作者等が経済的な不利益を強いられず、音楽作品の創作に悪影響を生じさせることのない解決策が提示されることを求める意見書を公表しました。


音楽用CDの再販売価格維持制度の見直しに向けた動きへの対応


   著作物の再販制度に関する意見交換の場として公正取引委員会が主催している「著作物再販協議会」および「音楽用CD等の流通に関する懇談会」にJASRACの役員が参加し、同制度を維持する立場から意見を述べました。
 知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会のデジタルコンテンツ・ワーキンググループが2月に取りまとめた「デジタルコンテンツの振興戦略」に、「音楽用CDにおける再販売価格維持制度の見直し」が盛り込まれたことに対し、3月29日に提出した意見書の中で、文化振興の見地から再販制度の必要性を訴えました。


(5) 2005年度文化事業


   JASRACは音楽著作権の管理業務に加え、公益法人として広く社会一般に貢献していくため、JASRACの会員(作詞者・作曲者・音楽出版者など)からの会費を主な原資として、公益的文化事業を積極的に実施しています。2005年度は以下のような事業に取り組みました。


文化事業一覧

6. JASRAC賞
   2006年JASRAC賞が決まりました。
 JASRAC賞は、前年度の著作物使用料の分配額によって決定され、楽曲の著作者と音楽出版者に対し、その功績と栄誉を称え、顕彰するものです。
 24回目の今年は、2005年4月から2006年3月までの 1年間の分配額を対象にしており、ORANGE RANGEが作詞・作曲・歌唱した「花」が金賞を受賞しました。
 外国作品賞「ZOOM ZOOM ZOOM」は3年連続、国際賞「ポケットモンスターBGM」は5年連続となります。
 金・銀・銅賞作品の製作・販売レコード会社等に対しても、各受賞作品の公表、普及に尽力された功績を称え、JASRACの謝意を表すため、感謝状をお贈りしています。


2006年JASRAC賞受賞作品

金賞
国内作品の分配額第1位
「花」
作詞者・作曲者 ORANGE RANGE
音楽出版者 株式会社スターダスト音楽出版
株式会社日音
東宝ミュージック株式会社
レコード製作 株式会社ソニー・ミュージックレコーズ
レコード販売 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
歌唱 ORANGE RANGE


銀賞
国内作品の分配額第2位
「さくら」
作詞者・作曲者 吉田 大蔵、田中 亮、河野 健太、大塚 亮二
音楽出版者 株式会社テレビ朝日ミュージック
株式会社トイズファクトリーミュージック
レコード製作 株式会社トイズファクトリー
レコード販売 株式会社バップ


銅賞
国内作品の分配額第3位
「世界に一つだけの花」
作詞者・作曲者 槇原 敬之
音楽出版者 株式会社ジャニーズ出版
レコード製作・販売 ビクターエンタテインメント株式会社
歌唱 SMAP、槇原 敬之


国際賞
国内作品のうち、
外国入金の分配額第1位
「ポケットモンスターBGM」
作曲者 宮崎 慎二
音楽出版者
株式会社  テレビ東京ミュージック
株式会社  メディアファクトリー
株式会社  小学館ミュージックアンドデジタル
エンタテイメント


外国作品賞
外国作品の分配額第1位
「ZOOM ZOOM ZOOM」
O.A.&O.C. JOAO CARLOS ROSMAN
O.P. SERAPIS BEY MUSIC
S.P. イーエムアイ音楽出版株式会社


以上

-添付資料-
文化事業一覧
2005年度使用料等徴収額
2006年JASRAC賞受賞作品


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