JASRAC社団法人日本音楽著作権協会

文化審議会著作権分科会「私的録音録画補償金の見直しについて」の
検討結果に対する当協会の意見
2006.2.3
社団法人日本音楽著作権協会
(JASRAC)


 2006年2月3日開催の文化審議会で報告された「文化審議会著作権分科会報告書」について、以下のとおり音楽著作者等で組織する当協会としての意見を表明します。

 この報告書において「ハードディスク内蔵型録音機器等」について、現時点では私的録音補償金の対象としないという結論が示されたことは、遺憾なことであります。日本が世界有数のデジタル録音機器の市場であるにもかかわらず、現在私的録音補償金の対象となっているMD等に既に市場において代替しつつある「ハードディスク内蔵型録音機器等」をその対象とせずに、問題解決を先延ばししたことは、国内外の著作者等に経済的不利益をさらに強いることとなります。新しい具体的な提案がないまま、現行法制上当然に認められるべき補償を認めない決定がなされたことは、国際条約との関係について十分な審議がなされていないのではないかと考えられることからも、大きな問題を残したものと言わざるを得ません。
 以上のことから、当協会としては早急にこれらの機器を私的録音補償金の対象とすべきであると考えており、今後も引き続きその対応を求めていく所存です。
 一方、同報告書においては、著作権分科会で示された「著作権法に関する今後の検討課題」や「知的財産推進計画2005」の示すところを踏まえ、私的複製に関して、それが認められる範囲の明確化などについて検討することとされており、また、パソコン等の汎用機器の取扱いについても、私的録音録画の抜本的な見直しの中で十分な検討を行い、「平成19年度中には一定の具体的結論を得る」と明記されております。このことは、これらの機器を用いた膨大な量の私的録音が行われている実態を考えれば大きな意義を持つものといえます。今後の検討にあたっては、先ず具体的な課題を明らかにし、その上で著作者等が経済的不利益を強いられ、ひいては音楽作品の創作に悪影響を生じさせることの無いよう、確実に期限までに解決策を提示されることを望みます。
 当協会もDRM(Digital Rights Management)技術を活用することによって私的録音録画の問題を解決することについては、実現可能でさえあれば否定するものではないことは、かねて申しあげてきているとおりです。DRMに限らず広く他の選択肢も含めて、今後、技術開発事業者、機器・媒体製造事業者、そして音楽愛好者を中心とした消費者との間で、私的複製問題における著作物の保護と公正な利用のあるべき姿の実現へ向け、積極的に協議していきたいと考えます。
 同報告書によれば、今後2年間「ハードディスク内蔵型録音機器等」による膨大な量の私的録音が行われるにもかかわらず著作者等は何らの補償も得られないこととなりますが、このことがわが国の音楽文化発展へのダメージとならないよう、今後の速やかな対応を切に願います。

以上
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