2005年5月18日
社団法人日本音楽著作権協会
JASRAC
2005年定例記者会見を開催
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2004年度の使用料等徴収額
2004年度JASRACにおける使用料等の徴収額はおよそ1,108億円でした。これは前年度に較べて1.2%の増となっています。分配額はおよそ
1,117億2000万円で、前年度比4.7%の増となりました。
録音使用料は、DVDビデオの生産実績が好調であったものの、CD生産のマイ
ナス実績による減収を補うには至らず、前年度を下回る結果(96.2%)となりました。
しかしながら、着信メロディデータ配信を中心としたイン
タラクティブ配信の使用料及び放送局との協定に基づく放送使用料やテレビCMの放送使用料が引き続き安定した伸びを示したことなどから、全体としては前年
度実績を上回る結果となりました。
利用形態種目ごとの徴収額は資料「2004年度使用料等徴収額」をご参照ください。
■ 権利保護とコンテンツ流通促進に向けた取組み
| 1. |
著作権法の一部改正 |
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JASRAC、日本レコード協会など音楽関係8団体が法制化を求めていた日本販売禁止レ
コードの還流防止措置の導入などを内容とする著作権法の一部改正案が6月3日、衆議院本会議で全会一致で可決・成立し、2005年1月1日から施行されま
した。 還流防止措置は、アジア諸国など日本と物価水準の異なる国において許諾を受けて生産された日本の音楽レコードが日本に還流し、不当な安価
で販売されるという事態を解消するとともに、わが国の音楽文化の積極的な海外普及を促進することを目的としたものです。その他にも、著作権侵害に係る罰則
について、その上限を懲役3年から5年に、罰金を300万円から500万円に引き上げ、特許権に先駆けて懲役刑と罰金刑の併科が導入されました。 |
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| 2. |
今後の著作権法改正に向けた要望 |
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JASRACは2004年8月31日、文化庁に対し、著作権保護期間の「死後70年までの間」への延長、私的録音補
償金制度対象機器の適正な指定と政令指定方式の変更などを要望しましたが、文化庁は、これらの要望などを参考に、今後優先して対応すべき「著作権に関する
今後の検討課題」をまとめ、2005年1月24日に公表、その中で「私的録音録画補償金制度の見直し」及び「著作権保護期間の見直し」も検討項目に挙げら
れました。 |
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| 3. |
コンテンツ促進法の施行 |
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コンテンツ産業の振興に関する基本理念、国の施策などを定めた「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法
律」(コンテンツ促進法)が2004年6月4日(一部条文は9月4日)に施行されました。 この法律が議員立法されるにあたりJASRACの役職
員は、関係議員等に対して、これに関連する音楽分野の課題等について説明を行いました。
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| 4. |
各種協議会等への参画 |
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JASRACはデジタルネットワーク技術の進展を踏まえて、著作権及び著作隣接権の保護と公正な利用の促進を図るた
め、「デジタル時代の著作権協議会(CCD)」にメンバーとして参画し、権利情報の共有化のための方策などについて検討を進めたほか、「コンテンツ流通の
促進に必要となる権利情報の共有に向けた環境整備のあり方」と題する報告書を取りまとめ、2005年4月13日付で公表しました。 この報告はブ
ロードバンド等でのコンテンツ流通に不可欠な権利情報・ID(番号)などのあり方を現場の視点で整理したもので、権利者、コンテンツホルダーが自ら行うべ
きデータベース整備を推進しようとするものであります。 またJASRACは、日本経済団体連合会内に設置された「ブロードバンドコンテンツ流通
研究会」の提言により設立された利用者団体協議会とJASRACのほか6つの権利者団体との間で行われた、映像コンテンツ配信の迅速かつ簡易な利用許諾の
あり方に関する協議に参加し、積極的な提言を行うなど合意に向けた取組みを進めました。その結果、2005年3月には全ての権利者団体が同協議会との間で
放送事業者が製作したドラマ番組などをストリーム配信する場合の暫定使用料率の設定について合意いたしましたが、これにより、今後映像コンテンツのブロー
ドバンド配信にむけての取組みが一層進むものと期待されます。
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■ 法的措置
| 1. |
音楽ファイル交換サービス 控訴審においても侵害行為の差止と損害賠償を認
容 |
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JASRAC及びレコード協会加盟19事業者が音楽ファイルの送信差止と損害賠償を求めて
いた裁判に関して、東京高等裁判所は2005年3月31日、インターネット上で音楽ファイルを交換させるサービス「ファイルローグ」を運営していた有限会
社日本エム・エム・オーに対して、音楽ファイルの送信停止を命じたうえで、同社及びその代表者に著作権侵害による損害金の支払いを命じた東京地方裁判所の
判決を支持し、控訴を棄却する判決を下しました。 この裁判は、同社及びその代表者が、東京地方裁判所が2003年12月17日に下した終局判決
を不服として、同年12月26日、東京高等裁判所に控訴していたものですが、同社及びその代表者から上告期限である4月15日までに最高裁判所に上告及び
上告受理の申立てがなかったため、控訴審判決が確定しました。 |
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| 2. |
最高裁が愛知県下のダンス教室の上告受理申立てに不受理を決定 |
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愛知県下の社交ダンス教室(7事業所)との間で争っていた著作権侵害差止等請求事件で最高裁は2004年9月28
日、ダンス教室側の上告受理申立てに対し不受理の決定を下しました。これにより同年3月4日、ダンス教室での録音物による再生演奏は不特定多数の者に対す
る「公の演奏」にあたるとして、経営者らにJASRAC管理著作物の利用差止と3,646万円の支払いを命じた名古屋高裁判決が確定しました。 |
■ プロバイダ責任制限法に基づく送信停止措置
JASRACの音楽ファイル検索エンジンJ-MUSEが収集した音楽ファイルのうち違法ファイルについて、JASRACは、「プロバイダ責任制限法」の
実効性を高めるために設けられた著作権関係ガイドラインに基づく信頼性確認団体として、2002年10月15日から各プロバイダに対し送信停止措置の請求
を開始しましたが、2005年3月末日までにこの請求に基づき、83,987ファイルが削除され、権利侵害が停止されました。送信停止措置の請求から侵害
が停止されるまでの期間は平均で10.77日となっています。
■ インタラクティブ配信許諾状況
非商用配信は、管理開始当初に許諾を得た利用者が継続利用により更新申請するケースが目立っていましたが、2004年度は新規申請者が増加しました。音
楽に限らず、ホームページに掲載するコンテンツの権利処理について、ホームページを運営するユーザー間で注意し合う様子も見られ、JASRACが非商用の
管理に先駆けて行ってきた意識啓蒙の成果が着実に上がっていると考えられます。最近の特徴的な利用形態としては「ブログ(weblog)」があり、その
ユーザーは急増していると考えられ、歌詞利用が多く見られます。
商用配信では、携帯電話のサービスにおいて、オリジナル音源着信音配信(いわゆ
る「着うた」)に加え、昨年11月からフルレングス楽曲配信(いわゆる「着うたフル」)がスタートしました。ひとつのサイト内で、従来の着信メロディデー
タ配信に、これらの音源配信を組み合わせるサービスが一般的となっています。また、動画コンテンツ配信で、動画付き着信音配信(いわゆる「着ムービー」)
について約300のサービスが仮承認となっていましたが、2005年4月1日から新規定が整備されたことにより正式に許諾することが可能になりました。
■ EDI(電子データ交換)化の推進
電子データでの受付に伴う利用曲目報告の増大に対処し、利用者の利便性の向上と業務の省力化を図るため、許諾・徴収から分配までの一貫したEDI化の実
現に向けた取組みを積極的に行い、2004年度は次のとおり実施しました。
| (1) |
演奏会での音楽利用のインターネット上での利用申請システム(J-OPUS)を5月に稼動
させました。 |
| (2) |
CD・ビデオグラム・出版等での音楽利用のインターネット上での利用申請システム(J-
RAPP)については、出版のシステムを4月に、その他のシステムを6月に稼動させました。 |
| (3) |
映像コンテンツの権利情報についてのデータベース(J-ARIA)を4月に稼動させまし
た。 |
■ 国際関係
わが国の音楽が頻繁に利用されるアジア地域において、JASRACの会員・信託者の著作権が適正に保護・管理されるよう、各国、地域の著作権管理団体と
の連携、協力を図ってまいりましたが、韓国の管理団体KOMCAとの相互管理契約の締結については、繰り返しの交渉・折衝、また韓流ブームという追い風が
あったにもかかわらず締結には至りませんでした。
一方、中国の管理団体MCSCとは、演奏権については1996年に、録音権についても2003
年に相互管理契約を締結して相互に著作権を管理しており、JASRACとMCSC間の使用料送金も着実に伸びています。
台湾の管理団体MUST
とは、演奏権については2000年に相互管理契約を締結しておりますが、録音権について、JASRACの管理楽曲を台湾においてMUSTが管理する、いわ
ゆる片務管理契約の締結について協議を行っており、ほぼ合意に至っています。
またCISAC(著作権協会国際連合)、BIEM(録音権協会国際
事務局)のアジア太平洋委員会の中心メンバーとして、各種会議の場でアジア地域の著作権の保護・管理の推進に向けた提案・助言を行ったほか、日本の関係諸
団体による合同ミッションに参加し、中国の関係機関を訪問して中国における著作権管理等についての意見交換を行ったり、台湾等に講師を派遣しました。また
各国政府や著作権管理団体から25カ国67名の研修生を受け入れるなど、さまざまな支援活動を行いました。
なお、JASRACが相互管理契約を
締結している著作権管理団体の数は、2005年3月31日現在で109団体(79カ国4地域)です。
■ 2004年度に実施したJASRAC文化事業
JASRACは1998年度から、会員からの会費を主な財源として「著作権思想の普及に関する事業」、「音楽著作物の創作または普及活動に対する支援事
業」、「音楽の利用開発に関する研究に対する支援事業」を3本柱とする公益的文化事業を行っています。
2004年度は、各種演奏会等を中心に音
楽の素晴らしさと著作権の大切さなどを伝える事業を積極的に実施するとともに、音楽著作権を取り巻く環境の急激な変化にも対応するため、青少年に向けた著
作権教育、知的財産に関わる人材の育成及び知的財産権に関する学術研究に資する事業を重点的に実施しました。
「著作権思想の普及に関する事業」
では法科大学院の制度が創設されたことに伴い、著作権制度の理解促進と人材育成に寄与するため寄附講座を明治大学法科大学院に開講するとともに著作権制度
に関する調査・研究を推進するため、東京大学大学院に「著作権法等奨学研究会(JASRAC)」を設置しました。また中学・高等学校の生徒と保護者を対象
に、著作権の基本的知識の習得を目的とした「JASRAC著作権ゼミナール」を開設し、第1回目を東横学園(東京都世田谷区)で実施しました。
このほか、継続事業についても内容の充実を図り、「音楽著作物の創作または普及活動に対する支援事業」では各地域の少年少女合唱団の育成に寄与するミュー
ジカル「アマデウスがやって来た」を実施するなど各種コンサートを実施しました。
その他、33の事業を実施したほか、私的録音補償金管理協会
(sarah)からの共通目的基金の助成を受け、著作物の創作の振興及び普及に資する事業として1事業を実施し、合計34事業を実施しました。
■ JASRAC作品届の受付と権利関係に疑義が生じた場合の対応
JASRACでは、JASRACが管理委託を受ける作詞者、作曲者、音楽出版者などと締結する著作権信託契約において、届出を受ける作品は、すべてその
作詞者、作曲者、音楽出版者などが権利を有しており、他人の著作権を侵害していないことを保証していただいていますが、この度、音楽出版者から提出された
作品届に基づいて管理を行っていた阪神タイガース私設応援団「中虎連合会」を著作者とする作品に関し、同連合会等の関係者らが著作権法第121条違反(著
作者名詐称)で刑事罰を受けるという事件が起きました。
JASRACにおける作品の著作権管理は、今後とも著作権信託契約約款のこの定めを前提
として行うことに変わりありませんが、今後、この管理方式の運用をさらに強化し、再発の防止を図るため、作者不詳楽曲と作品名が同一もしくは極めて似てい
る作品に対するチェックの強化を中心に対応をとることにしました。
■ 2005年JASRAC賞 2年連続で金賞に「世界に一つだけの花」
2005年JASRAC賞が決まりました。
JASRAC賞は、著作物使用料の分配額によって決定、関係権利者に対し、その功績を称え、かつ、
音楽著作権の保護、利用への貢献に感謝して顕彰するものです。
23回目の今年は、2004年4月から2005年3月までの1年間の分配額を対象
にしており、「世界に一つだけの花」は2年連続で金賞を受賞しました。同一作品が2年連続して金賞を受賞するのは、第6回(1988年)、第7回
(1989年)の「命くれない」に続き2回目です。
また、金・銀・銅賞作品の製作・販売レコード会社等に対しても、各受賞作品の公表、普及に尽
くした功績を称え、JASRACとしての謝意を表すため、感謝状を贈っています。
金賞
国内作品の分配額第1位 |
| 「世界に一つだけの花」 |
| 作詞者・作曲者 |
槇原 敬之 |
| 音楽出版者 |
株式会社ジャニーズ出版 |
| レコード製作・販売 |
ビクターエンタテインメント株式会社 |
| 歌唱 |
SMAP、槇原 敬之 |
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銀賞
国内作品の分配額第2位 |
| 「涙そうそう」 |
| 作詞者 |
森山 良子 |
| 作曲者 |
BEGIN |
| 音楽出版者 |
株式会社アミューズ 株式会社金子音楽出版 株式会社日音 |
| レコード製作・販売 |
ビクターエンタテインメント株式会社 |
| 歌唱 |
夏川 りみ、森山 良子、BEGIN |
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銅賞
国内作品の分配額第3位 |
| 「機動戦士ガンダムSEED BGM」 |
| 作曲者 |
佐橋 俊彦 |
| 音楽出版者 |
サンライズ音楽出版株式会社 株式会社ミリカ・ミュージック |
| ビデオグラム製作・販売 |
バンダイビジュアル株式会社 |
|
国際賞
国内作品のうち、
外国入金の分配額第1位 |
| 「ポケットモンスターBGM」 |
| 作曲者 |
宮崎 慎二 |
| 音楽出版者 |
| 株式会社 |
テレビ東京ミュージック |
| 株式会社 |
メディアファクトリー |
| 株式会社 |
小学館ミュージックアンドデジタルエンタテイメント |
|
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外国作品賞
外国作品の分配額第1位 |
| 「ZOOM ZOOM ZOOM」 |
| O.A.&O.C. |
JOAO CARLOS ROSMAN |
| O.P. |
SERAPIS BEY MUSIC |
| S.P. |
イーエムアイ音楽出版株式会社 |
|
以上
-添付資料-
2004年度使用料等徴収額
2005年JASRAC賞受
賞作品