ページの先頭です
ページ内移動用のリンクです


プレスリリース

  • twitter
  • facebook
  • line

2004年3月 4日
社団法人日本音楽著作権協会
(JASRAC)

社交ダンス教室に対する控訴審判決 名古屋高裁が演奏差止と損害賠償を認容

 名古屋高等裁判所は、3月4日、日本音楽著作権協会(JASRAC、理事長・吉田茂)が管理する音楽著作物(以下「管理著 作物」)を、その営業において録音物の再生により無断で利用して長期間にわたり著作権侵害を繰り返している愛知県下の社交ダンス教室(7事業所)の経営者 らに対し、演奏差止と総額3,646万円余の支払いを命ずる判決を下しました。
同判決では、社交ダンス教室経営者らの「教室における録音物の再生演奏は著作権法第22条にいう『公の演奏』にはあたらない」とする主張を一審同様退けそ の控訴を棄却。また、一審判決では不法行為による3年分の損害賠償(1,750万円余)のみを認め、3年を超え10年までの7年間分の不当利得返還請求額 が認められなかったため、これを不服として控訴していたJASRACの請求をほぼ全面的に認めました。

【事件の経緯】
2002年5月31日 本案訴訟提起
2003年2月7日 第一審判決(名古屋地方裁判所)
名古屋地裁は社交ダンス教室経営者らの著作権侵害を認め、管理著作物の利用差止めを命ずるとともに、損害賠償についてはJASRACの全請求(過 去10年分)のうち、不法行為に基づく過去3年分の使用料相当額の支払いを命ずる一部認容判決を下す(双方とも控訴)。

【本判決の判断要旨】
(1) 社交ダンス教室の顧客は、著作権法上「特定かつ少数の者」ということはできず、社交ダンス教室における録音物の再生演奏は「不特定かつ多数の者」 に対するものであるから、著作権法22条にいう「公の演奏」にあたる。
(2) 社交ダンス教室の営業は、著作権法施行令附則3条にいう「その他フロアにおいて客にダンスをさせる営業」にあたるから、著作権法附則14条の廃止 前においても同条が適用されることはない。
(3) 社交ダンス教室の経営者は、JASRACの請求から遡って3年間は不法行為に基づく損害賠償義務を、それ以前の7年間は不当利得に基づく利得返還 義務を、それぞれ負う。

【本判決の意義】
 一審判決に引き続き、社交ダンス教室レッスンでの音楽利用が「公の演奏」に該当するとの判断が事実上確定したと言えること、また、10年分の損害賠償又 は不当利得返還請求が認められたことは、JASRACの今後の演奏権の管理業務にとって意義深い判決と言えます。

以 上


ページの終わりですページの先頭へ戻る