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プレスリリース

2001年10月19日
社団法人 日本音楽著作権協会
(JASRAC)

音楽電子透かし4社を技術認定し、ネット上の違法利用の発生防止に活用

社団法人日本音楽著作権協会(以下JASRAC、本部:東京・渋谷区、理事長:吉田茂)が、著作権管理団体の国際組織であるCISAC(本部:パリ、事務 局長:エリック・バティスト)、BIEM(本部:パリ、事務局長:ロナルド・ムーイ)とともに、株式会社野村総合研究所(以下NRI、本社:東京・千代田 区、社長:橋本昌三)に事務局を委託し実施した、著作権管理団体による音楽「電子透かし」の世界的な普及に向けた技術の最終選定作業「STEP2001」 が完了いたしました。
認定企業の発表にとどめた昨年の「STEP2000」の結果を踏まえ、「STEP2001」では、この1年間の技術の発展をにらみながら、音楽 電子透かしの利用の国際的なガイドラインとすべく「利用可能な技術水準」を具体的に策定し、こうした「能力を有する技術(企業)」を選定することを目標と して実施いたしました。
プロジェクトリーダーであるJASRACは、事務局であるNRIからの実施報告書を受け、所定の評価作業と4社の技術認定を行いましたので、報告いたします。


■実施の概要

6月29日に開始したSTEP2001は、内外より10の技術開発企業が参加し、当初スケジュール通り、9月下旬に評価実験を完了いたしま した。技術の評価は、技術の進展の定量的な分析等の必要により、昨年実施したSTEP2000と同仕様のものをベースとしたもので実施しました。

技術の評価仕様は「(資料1)技術の評価仕様の概要」をご参照ください。


■技術評価の視点

下記の2つの視点で、技術評価を行いました。

評価対象の課題曲には、15秒以内のタイムフレームに2bit、30秒以内のタイムフレームに72bitの透かしデータを挿入することを求めています。

1. 耐性:音楽利用のための様々な処理を経ても、挿入した透かしデータが抽出できる。
注1) 但し、評価に際しては、以下のクリアを前提とする。
挿入されていないデータが、透かしデータとして抽出されないこと
抽出された透かしデータは、挿入された透かしデータと全く同一であること
注2) 評価項目ではないが、「楽曲の一部分を取り出して利用する」、「楽曲の冒頭等に楽曲以外の音を付加する」ことを想定しての耐性テストも行っている。

2. 音質:透かしデータを挿入した音楽を、スタジオ環境で再生し、Golden Ear、Silver Earが聴いても、透かしデータが挿入されていることが認知できない。


なお、上記に加え、音響学的分析や透かしデータの挿入・抽出処理時間を加味し、評価を行っています。


■利用可能な技術水準

STEP2001では、今般の評価作業の範囲において、下記の能力を実現できる技術を有する企業であれば、デジタル音楽著作物流通において、実際に利用可能な技術を実現できると整理いたしました。

1. 耐性に関する「利用可能な技術水準」
一般的な楽曲の透かし利用においては、課題とした21項目の耐性テストのほとんどで、利用に問題がない水準をクリアすること
加えて、「インターネット配信に関わる処理」、「放送を想定した処理」については、利用に問題ない水準をもれなくクリアすること

2. 音質に関する「利用可能な技術水準」
上記をクリアした技術のうち、「透かし情報の挿入による音の変化」を認識したものの割合が、実験を行ったすべての楽曲について、著しく低いこと

技術の評価概要は「(資料2)技術評価の総括」をご参照ください。


■利用可能な技術を実現できる企業

STEP2001は、利用可能な技術を実現できる企業として、下記の企業を認定いたします。

1. 利用可能な技術水準をクリアする企業
IBM
Verance(米国)

2. 利用可能な技術水準のクリアが見込まれる企業
エム研(日本)
MarkAny(韓国)


■利用実証実験の実施

STEP2001のプロジェクトリーダーであるJASRACは、インターネット上の違法利用の発生防止と不正利用の発見に活用するため、今般認定した各社との協力により、音楽電子透かし抽出技術を導入し、年度内に実証実験を開始いたします。


■今後の活動について

JASRACは、今般のSTEP2001評価作業完了後も、音楽電子透かしの普及推進のために、引き続き、世界の著作権管理団体のイニシアチブをとって、活動を続けてまいります。
JASRACは、本実証実験の共催団体であるCISACの放送実務委員会(10月24~25日、東京にて開催)において、電子透かし技術のイン ターネット上の音楽著作権管理業務への利用の点から、STEP2001の成果を以下の通り報告するとともに、電子透かし技術を採用して、JASRACが指 定する権利管理情報等を著作物データに挿入するインタラクティブ配信事業者に対し、DAWN準拠事業者として、優遇措置を適用いたします。


[報告の骨子]
JASRACは、当協会に管理が信託された作品について、インターネット上の不正利用をもれなく洗い出し、著作権使用料の督促・徴収するという業 務を行っています。こうした活動も、配信に関わる事業者の方が、音源に透かしを用い権利管理情報等を挿入することにより、その音源を配信しているWeb ページを機械的に追跡することがさらに容易になり、不正配信に対する抑止効果のみならず、その監視と情報収集の効率が、飛躍的に向上することが見込まれま す。
JASRACの今般の決定により、音源に透かしを用い権利管理情報等を挿入する配信事業者の取り組みが、権利者の財産の保全レベルの向上に直結するため、配信事業者の電子透かし技術を利用するメリットが一層具体的なものとなりました。

JASRACは、配信事業者の取り組みをさらに加速させるために、下記の実施を決定しております。

音源に透かしを用い権利管理情報等を挿入し、ネットワーク上の不正利用の発生抑止につとめ、JASRACによるインタラクティブ配信管理に積極的に協力する配信事業者の著作権使用料の割引
音源に関連する事業者への技術導入に関する会議の開催(年内予定)
挿入する透かし情報について
各音源に挿入する権利管理情報は、当協会が指定するJASRAC作品コード等とします。
なお、JASRACは、今後、権利管理情報等の挿入をインタラクティブ配信の許諾の条件とすることを検討しています。


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