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先輩×後輩対談

先輩×後輩対談

~Cross Talk~

JASRACの人材育成制度の中で、新入職員にとって最も忘れられないのがメンター制度です。
これは、「メンター」(指導担当の先輩職員)が中心となって、職場全体で「メンティー」(新入職員)に継続的に指導・助言してメンティーの成長を支えるというもの。その厚い信頼関係は業務だけにとどまらず、時にはプライベートに及ぶこともあります。
この対談では、中国支部でメンター、メンティーとして1年間を共に過ごした先輩・後輩の2人が、当時を振り返りつつ、メンター制度について紹介します。

中村 稔

管理本部システム部システム課係長

入社年:2006年

出身学部:理工学研究科電気工学専攻

2006年~ 業務本部中国支部

2011年~ 管理本部システム部システム課(現職)

志望動機:研究室の同期がメーカー系に絞って就職活動をしている中、幅広い職種を見てみたいと思い、いろいろな会社を訪問。その中で、音楽が好きだったこと、支部業務など自分にとって未知の世界があったことから、JASRACに惹かれて入社を決めた。

馬上 祐典

業務本部送信部ネットワーク課

入社年:2008年

出身学部:法学部

2008年~ 業務本部中国支部

2013年~ 業務本部送信部ネットワーク課(現職)

志望動機:「何をやりたいか」ではなく「何でもやろう」と考え、業界を絞らずに就職活動。背伸びせずに一番自然体で面接に臨めて内定につながったJASRACへ入社を決めた。

お互いの第一印象をお聞かせください。

中村)自分は人見知りであがり症なんですが、馬上さんはハキハキと元気で、はじめから緊張している様子はなかったよね。今のままという感じ。

馬上)いえ、臆病でドキドキしてる方ですよ。中村さんは、今と変わらずあたりがやわらかくてやさしい方。何回同じことを質問しても怒られたことはなかったです。

中村)新人は質問することが仕事。怒られる覚悟で質問してくる馬上さんの表情を見ると怒れなかったな。

入社にあたり、JASRACで仕事をしていく上で不安だったことはありますか?

馬上)仕事面では、何でもやるつもりでいましたが、具体的に著作権管理の仕事内容について何をすればいいか見当がつかなかったことです。会社説明会などで聞いていたのかもしれないですけど。

中村)私は、自分にとって未知の仕事をしてみたいと思い入社しました。大学院で数字ばかり扱っていたので、入社して著作権法に触れてみて、聞く言葉一つとっても知らないことばかりで、はじめはとても難しかった記憶がありますね。

馬上)私は、法学部出身なので著作権に対してとっつきにくさはありませんでした。でも実際に仕事をしてみて思ったのは、大学で何を勉強していたかは関係ないということです。著作権法の知識があったとしてもそれがそのまま業務に役立つわけではありません。

中村)馬上さんに仕事を教えてて、はじめのうちは固まってることよくあったもんね。「あ、今分かってないんだろうな」って。

馬上)著作権法の知識より、相手に理解してもらうコミュニケーション力が大事ですね。
また、初任地が縁もゆかりもない中国地方だったことも不安と言えば不安でした。学生時代は一人暮らしだったので、生活自体は何とかなると思ってましたが、一体どんな所なんだろうと。

中村)私は入社してから一人暮らしを始めたので、最初は不安でしたが、住み始めてすぐに不安はなくなりました。部署の人間関係が良くて、休日も先輩・同僚たちと一緒にバーベキューや旅行に行ったりと、楽しく過ごせました。仕事だけでなくプライベート面でも部署の皆さんが気にかけてくださってありがたかったですね。

馬上)中村さん夫妻にイチゴ狩りに連れて行ってもらったのも良い思い出です。

メンターとして心がけていたことはありますか?

中村)私自身は、新人の時、メンターの先輩にとても丁寧に教えてもらったんですね。入社して間もない4月に、音楽ユーザーの方に電話で著作権手続きの説明をしていて、相手の質問にうまく答えられずにいると隣で耳をそばだてていたメンターの先輩が、「こう答えて」って付箋に書いて逐一渡してくれて。
だから、馬上さんに対しても丁寧に教えたいな、と思っていました。特に心がけていたことは、理屈を理解させることと、自分で考えさせることです。すぐに答えを教えることは簡単ですが、大事なことは自分で考えてもらうようにしていました。

馬上)出張に行く時にレンタカーを借りることがあるのですが、ある時、いつもより上のクラスの車種を借りてもいいのではないかとふと思いついて中村さんに尋ねたら、「上司に聞いてごらん」と。何も考えずにそのとおりにしたら、「ダメに決まってるだろ」ときっちり怒られました。

中村)覚えてたんだ(笑)。

馬上)経費は適切に使わなければいけないという、考えてみれば当たり前の話なんですけどね。
あと、仕事では、音楽ユーザーの方へ著作権手続きについて案内する書面をよく書くのですが、なかなか要領がつかめず、中村さんにはいつも丁寧に「赤」を入れてもらっていました。

中村)馬上さんは、こちらの教えたことをすぐに受け止めてくれて、着実に成長してくれました。はじめて馬上さんを契約交渉に連れて行った時のことをよく覚えています。カラオケやライブ演奏で音楽を利用されているお店の経営者の方に、著作権の利用許諾契約を締結してもらい使用料をお支払いいただくという交渉なのですが、最初に何軒か私が見本を見せて、そのあと馬上さんに交渉してもらったんです。緊張してうまくしゃべれないだろうというこちらの不安をよそに、馬上さんは立派に堂々とした交渉を見せてくれました。

メンティーとして感じたことはどんなことですか?

馬上)教わっているときは正直、ありがたいという気持ちを持ったり、客観的に自分を見つめたりする余裕がなく、自分の仕事がうまくいかないばかりに焦ったり、教えられたとおりにしたつもりだったのに上司に怒られたりしたことを理不尽に思ったりと、「教えてもらえて当たり前」という感覚があったと思います。それもやはり、教わることがどういうことかということをあまり考えていなかったからかもしれません。
でも、ある時ふと、今まで教わったりやってきたりしたことがつながったと思えた瞬間があったんです。

中村)入社2年目の時だよね。

馬上)はい。支部の業務では、音楽ユーザーの方にきちんと手続きをご案内してご契約いただくことが基本です。それでも、交渉が難航して長期間手続きをお取りいただけない場合、やむを得ず裁判所に民事調停を申し立てることがあります。その時懸案となっていたお店に対して法的措置をとることになったのですが、前例がないような複雑なケースだったので、裁判所へ提出する申立書を自分で一から考えて作成しなければならなかったんです。それで、これまで教わったことや自分の知識、経験の全てを注ぎ込むくらいの気持ちで形にして上司のところに持っていったら、「思ったよりうまく書けてるね」と、はじめてほめられたんです。

中村)この時もそうでしたが、覚えが早く何事にも動じない馬上さんを見て感心させられることが多かったですね。私はメンターとしてあまり苦労しなかったかもしれません。

馬上)その後、入社5年目の時に、今度は自分がメンターになり、仕事を人に教えること、メンティーの成長を適切な距離感で見守ることの難しさを知りました。この時にはじめて、自分が教えられたとおりにできなかった時も決して声を荒げることなく、やさしく丁寧に面倒を見てくれた中村さんの偉大さとありがたさを痛感しました。 また、中村さんから教わった「自分で考えること」の大切さは、自分が先輩になって支部の業務を引っ張っていく立場になった時に、とても活かすことができたと思います。

これからの目標をお聞かせください。

中村)現在在籍しているシステム課では、JASRACの基幹システムの維持・保守を担当しています。支部とは全く異なる業務ですが、支部での現場経験があるからこそ、システム上のトラブルに遭遇しても解決策を見出せることが多くあります。将来的には、ネットワーク上で大量に流通する音楽利用に対して、より効率的な管理方法を提案するなどして、著作権管理に貢献したいと考えていますが、まずは現在担当している仕事を一つ一つ大事にしていきたいです。

馬上)私が現在所属しているネットワーク課では、音楽ユーザーである音楽配信事業者の方から、大量の利用楽曲のデータをご報告いただくのですが、1曲1曲に作詞者・作曲者などの権利者がいることを忘れずに、スムーズに許諾や請求などの対応ができるよう取り組んでいきたいと思っています。
そして、今日話をしていて改めて思ったことは、教えていただいて今があるということを忘れずにいること、向上心をなくさずにいることが大事だということです。