音人工房

JASRAC 日本音楽著作権協会

第12回 黒須 克彦 Katsuhiko Kurosu

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Vol.3 創作活動とベーシストの絶妙なバランス

黒須さんはベーシストとしても活躍されていますね。

黒須:お客さんの前で演奏することが好きなんです。レコーディングをしたり、ライブをしたり、みんなで力を合わせて何かをつくり上げていくエネルギーを感じることも大事なことだと思うんですよ。バンドをやっていた頃は、バンドメンバーとして武道館の舞台に立ちたいという夢もあったのですが、形を変えて、サポートミュージシャンとして武道館に立つことができました。お客さんの目線や声援は、アーティストに向けられたものではありますが、アーティストと同じ景色を見て、同じ声援を聴いて…。僕の中では、過去の夢に対する気持ちは満たされているんです。

職業作家とベーシストのバランスはどのくらいですか?

黒須:年間を通すと楽曲制作が7、演奏活動が3くらいだと思います。でも、この比率が逆になることはなくて、楽曲制作のほうが多くなるようにしたいと思っています。

クリエーターに求められる資質は何だと思いますか?

黒須:一昔前に比べると、手軽にDTMソフトで、ある程度のレベルで、ある程度のクオリティの物が作れるようになってきたのですが、いろいろできる人よりも、ロックでも、ジャズでも、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)でも、なんでもいいので、1つのことに長けている人のほうが良いに思います。あと、他人の意見や表現を受け入れることのできる柔軟性。こだわりを捨てると言ったら、言い過ぎかもしれませんが、僕がそういう風に思えるようになったのは、たくさんの方の人間性に触れる機会があったからだと思います。

黒須さんの周りには、素敵な方がたくさんいらっしゃるのですね。

黒須:本当にそうだと思います。人とのご縁に関しては、恵まれているという自信があります。

ベーシストの活動が、創作活動に影響を与えることはありますか?

黒須:多くのアーティストのライブの現場を経験することで、こんな音が入っていたんだとか、こんなアレンジになっていたんだとか、サウンドの組立てに多くの発見があります。自分の楽曲がライブで流れるイメージも持てますし、良い影響はたくさんあります。また、ライブのサポートでは、バンドマスターを任せていただけることが度々あります。アーティスト、バンドのメンバー、スタッフの間の空気を読みながら、何をどうしたらこの場が良くなるかということを考えるんですね。これは、スタジオワークでのプロデューサーに近い立ち位置だと思いますし、とても勉強になっています。

今後の活動についてお聞かせください。

黒須:良いバランスで音楽活動を続けてきて、歳も重ね、時代も変わっていく中で、4人で分担しながらクリエイティブな活動をする「Q-MHz(キュー・メガヘルツ)」を始められたことは、大きな変化です。自分一人ではなく、チームとして、より広がりのある活動も展開できたらと思います。でも、これは様々な方法のうちのひとつなので、今までと変わらないスタンスで、活動の枝葉を広げていくことができたらいいな、と思っています。

もし明日から1週間お休みがとれるとしたら、どうしますか?

黒須:趣味らしい趣味がないので…。今なら北海道へ行きますね。数年前の夏、時間ができたので、避暑もかねて行ったのがとても良くて。この数年、毎年1回はプライベートで行っています。特に、美瑛町にはまた行きたいですね。広大な自然が広がっていて、とにかく風景が美しい。北海道は、色々な場所で広さを感じることができるので、心まで大きくなれますよ。ただ、過ごしやすい季節にしか行ったことがないので、それで北海道好きだと言うのは、ちょっと失礼な気がしています。ちゃんと真冬に行って、厳しい寒さも体感しないといけないな、と思っているところです。

2013年9月には、JASRACのメンバーになられました。

黒須:自分が関わっている楽曲が増えてきたことや、楽曲がどのように使われているのかをより詳しく知りたいと思ったことがきっかけです。自分自身で生み出した楽曲の立ち位置を明確にしておく必要があると思ったんですね。海外でこれだけ使われたということを知る機会もあり、とても励みになっています。自分の手が届かないところで自分の楽曲が広がっていることを実感できるのは嬉しいです。

JASRACオリジナルキャラクター
「ジャスラ」のぬいぐるみと一緒に

最後にクリエイターを目指す若い世代へメッセージをお願いします。

黒須:今は、良い意味で手軽に音楽がつくれるようになり、インターネット等を通して、多くの人の耳に簡単に音楽を届けられるようになりましたが、その分色々なことも言われ、中にはネガティブなものもあります。見えない相手から、文章だけで直接ぶつけられると、面と向かって会話でぶつけられるより鋭さもあります。でも、良い声もたくさん届くので、打たれ強くなって、がんばってほしいと思います。もちろん、他人の意見を受け入れることのできる柔軟性も必要ですよ。僕は周りの人に恵まれていたから良い道を歩いてこられましたが、今は僕が歩き始めたときよりも、選択肢がたくさんあります。自分に合ったツールを見つけて、自らが歩んでいく道を見つけてほしいです。

(2016年10月公開)

Information

黒須克彦さん出演のサポートライブ情報!

早見 沙織

「早見沙織 1st CONCERT TOUR 2016 Live Love Laugh」

日時: 2016年11月3日(木)
開場: 品川プリンス ステラボール
藍井 エイル

「Eir Aoi 5th Anniversary Special Live 2016 at 日本武道館」

日時: 2016年11月4日(金)
2016年11月5日(土)
開場: 日本武道館
小松 未可子

「ハピこし!ライブ2016 "Imagine day, Imagine life!"」

日時: 2016年11月20日(日)
開場: 品川プリンス ステラボール

Present

こちらのアンケートにお答えいただいた方の中から抽選で5名様に黒須さんのサイン入りCDをプレゼントいたします。

※応募は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました!

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