音人工房

JASRAC 日本音楽著作権協会

第4回 Jeff Miyahara

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Vol.3 世界で挑戦するにはまず気持ちが重要 チャンスは誰にでも平等にある

海外アーティストのプロデュースもされていますが、日本のアーティストとやり方が違う点はありますか?

Jeff:例えば、アメリカのアーティストとやるときは「むしろ日本のほうがすごいんだぞ」って結構強気な感じでいきます。もともとアメリカ育ちですし。もちろん僕も吸収する側で「お世話になります。何か教えてください」っていう感じではいるんですけど、日本のすごさは毎回持っていってますね。

「日本のすごさ」というのは具体的にどういうところだとお考えですか?

Jeff:エンジニアリングの技術であったり、仕事の環境だったり、気遣い、プロフェッショナリズムの基準ですかね。あと、メロディー。仕事に対するスタンスは、やっぱり日本のほうがすごくきちんとしているところがあります。

日本人のきめ細かさは音楽を作るうえでも大切ですね。

Jeff:僕はプロデュースや作曲をする一方、エンジニアリングもすごく好きなんです。アメリカのアーティストとかは、演奏力やパフォーマンス力に馬力があるから別に200円のマイクで歌っても、2,000万円のマイクで歌っても、成り立ってしまうんですけど、アーティストの特徴を考えながら綺麗に録ってあげることで「ヴォーカルをやっていて初めて自分の声が綺麗に聞こえた」とか言われることが多々あるんです。やっぱりその辺りのクオリティの高さが日本の良さで、そういう日本のすばらしさを僕は海外に持っていきますね。差し入れを持っていくときも僕がナチョチップスとか持っていっても意味がないので、ポッキーとか煎餅とか日本のおもしろい文化を持っていってます(笑)。

アジアのアーティストはまた違った点があるんですか?

Jeff:韓国、台湾、中国やタイのアーティストは、愛に対する価値観だったり、表情の出し方だったりがそれぞれ違っていたりしますよね。あと、社会的に韓国は縦社会で、先輩と後輩の関係、マネージャーさんとアーティストさんの関係とかがしっかりしているんですよ。日本はどっちかというとアメリカに近いんですけど。僕は海外のアーティストさんとやらせていただくときは、日本でしか分からない、シークレットスパイスだとか、アーティスト本人が気づいていない素敵さ、セクシーさ、かわいらしさを見つけて、現地の国のやり方を活かしながら、日本のスタイルをプラスアルファで取り入れるようにしています。日本のスタイルだけで強引にやってもたぶんうまくいかないと思います。

韓国のアーティストはどんどん世界に進出していますね。

Jeff:そうですね。日本は宣伝を惜しむ傾向が強いじゃないですか。こんなPVがあるのにYou Tubeに全部出すのはもったいないから90秒とか45秒だけにしておこうって。で、45秒にしても、これでももったいないから画質を下げて公開しようってなる。一方で韓国、台湾、タイとかでは、世界に向けた最高のしかもフリーな広告として見ているので、アーティストを売り込むためにこれ以上の最高のチャンスはないって考えているんですよ。

Jeffさんは2010年の9月にJASRACに入会されていますが、何かきっかけがあったんですか?

Jeff:これまでたくさんの曲を作らせてもらったんですが、曲の管理が全くできていなかったというか、ここのレコード会社ではこういう曲を作ってきたというイメージしかなかったんです。今だと全部で200曲ぐらいあると思うんですけど。JASRACに管理をお願いすると、すべての楽曲の著作権を一括して管理してもらえて、楽曲が利用された情報をきちんとキャッチして、それを全部計算して分配していただけるっていうのを湯川先生にずっと言われてきて。あともう1つは、音楽を作ることだけではなく、30代で日本の音楽業界に貢献をしたいという気持ちが強くて。そのために著作権のことも勉強させてもらいたいと思ったんです。僕が力になれることが何かあるんだったら、是非自分のノウハウだったり声だったりを提供させていただきたいと思っています。

日本のクリエイターやアーティストが世界で活躍するためには、何が必要だとお考えですか?

JASRACオリジナルキャラクター
「ジャスラ」のぬいぐるみと一緒に

Jeff:以前は帰国子女とか、ある程度英語がしゃべれないと勝負できないって思っていたんですけど、そういうのは関係なくて。やっぱり日本から世界に出ていこうという気持ちが、まず何よりも大事だと今は思ってます。日本の音楽業界は他の国と比べるとまだまだ健康的なので、日本だけで満足してしまうところもあると思うんですよ。でも、そこで世界に向けて何かをやりたい、世界に向けて何かを見せたいっていう願望が強くないと。やっぱり日本の良さを世界に対して隠しているところもあるんで、僕たちもどんどん売り込まないといけないと思いますし。今はとにかくオフェンスです。攻めの時代だと思います。

最後に若手クリエイターに向けてメッセージをお願いします。

Jeff:僕がスタートした頃と今は全然違うんですよね。今は誰にでも平等にチャンスがあるんですよ。アメリカとかではYou Tubeでスカウトされて、世界一になったケースもありますし。ジャスティン・ビーバーもそうですし、最近ではカーリー・レイ・ジョップセンとか韓国のPSY(サイ)もそうだし。環境やお金、有名じゃないとか、あまり関係ないんですよね。インターネットのおかげで世界のフィールドが平等になってきている中で、チャンスは全員平等にあります。そのことに是非気づいてほしいですし、そこでポテンシャルをフルに発揮してほしいです。あともう1つは、プロデューサーとか、作曲家になりたいのであれば、ひとつの専門家になってもおもしろいと思うんですけど、時代が変わっていくのとあわせて常に変化できる虹色のクリエイタ―さんになっていただきたいですね。

(2013年2月公開)

Information

2013年4月20日(土)・21日(日)の2日間、川崎市で開催される『第9回 音楽のまち・かわさき アジア交流音楽祭』のメインステージへの出演が決定!
昨年に続き今年のメインステージには、Jeff Miyaharaさんを総合プロデューサーに迎え、アジアの実力派アーティストが川崎に集結します。
東日本大震災の影響による被害を受け、休館を余儀なくされた「ミューザ川崎シンフォニーホール」も復旧が完了し、4/1に待望のリニューアルオープン。優れた音響が復元されたステージで、アジアの実力派アーティスト達が、観客一人一人の心に響く圧巻のパフォーマンスを繰り広げます。

「第9回 音楽のまち・かわさき アジア交流音楽祭」メインステージ

  • 開催日時:2013年4月20日(土) 開場17時00分 / 開演17時30分(予定)
  • 開催場所:ミューザ川崎シンフォニーホール(TEL:044-520-0100)
    <川崎市幸区大宮町1310(JR川崎駅西口直結、徒歩3分)>
  • 出演アーティスト(予定、順不同):
    J-Min[韓国] / TWIN CROSS[沖縄(日本)] / クリス・ハート[日本] / Le Velvets[日本] / 阿福[台湾]
    *主催者およびアーティストの都合により出演者が変更になる場合があります。
  • 入場券:座席指定 S席 ¥8,400 / A席 ¥7,350
    tvkチケットカウンター・ぴあ・ローソン・eプラスほかで発売中

■プロデュース:Jeff Miyahara
■運営:キョードー横浜 ■制作:ヤマハエーアンドアール ■制作協力:キョードー東京
■協力:川崎地下街アゼリア / ミューザ川崎管理組合 / ラゾーナ川崎プラザ / ラ チッタデッラ / アトレ川崎 / 川崎市商店街連合会青年部 / 川崎砂子会協同組合 / 川崎銀座商業協同組合
■ホームページ:http://www.tvk-yokohama.com/asia/

Present

こちらのアンケートにお答えいただいた方の中から抽選で4名様にJeff Miyaharaさんのサイン入りUSB MIDIキーボードをプレゼントいたします。

※応募は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました!

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