音人工房

JASRAC 日本音楽著作権協会

第1回 GIORGIO CANCEMI ジョルジョ・カンチェーミ

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Vol.3 純粋な気持ちで音楽を作っている人の権利を守ることは一番大事

西野カナさんに提供した楽曲の多くは、「着うたフル」の配信チャート(日本レコード協会調べ)でロングヒットしていますが、音楽配信に関してはどのような印象をお持ちですか?

※インタビュー時(10月12日付チャート)
『if』(2010年8月4日リリース)=7位  『会いたくて 会いたくて』(2010年5月19日リリース)=31位
『Best Friend』(2010年2月24日)=35位  『Dear…』(2009年12月2日リリース)=55位
『もっと…』(2009年10月21日リリース)=90位

G:僕はすごいいいと思いますよ。CDは、やっぱりパッケージになったときの楽しさってあるじゃないですか。ジャケットもそうだし、カップリングもそうだし、そこにアーティストのセンスが表れてると思いますし。僕は、商品として手にとって、見て楽しむタイプなんで。自分がCD出すときも、達成感というか「あ、できたんだ」っていうタイミングを感じられるし。それと比べると、配信って「いつ出たの?」っていう感じだったりとか、手元に残らないっていう勝手なイメージがあったんです。だけど配信のすごくいいところは、クリエイターが曲を作って、出すまでの期間がぐっと短くなったことなんですよ。すぐに出せるんで、今求められているのは何かっていうのをすぐ反映して作れるし、逆にこちら側が聴いてほしいっていう曲をリスナーの人たちはすぐ聴けるし。そこがすばらしいと思う。弱点は、こちらが作っているクオリティーのものから音がガッと下がることですね。そこは今後どんどんよくなってくると思います。

JASRACに入会したきっかけや著作権に対するお考えを聞かせてください。

G:いやーもう著作権は大事ですよ。僕がJASRACに入ったのは、前に所属していたレコード会社を辞めてフリーになったことがきっかけです。それまではマネジメントとか、わからないことがあったら頼れるところがあったんですけど、個人でアーティスト活動とかプロデュース活動をやっていると、知識がないと難しい問題がいろいろとあって。それで、JASRACにきちっと入会して、お任せしたいなって思って。自分の財産を守ってくれて、それが次の作品にも繋がるんで、やっぱり大事なものだと思います。僕は若いときから自分でレーベルを立ち上げてやってきたんですけど、若いアーティスト達には、まず何をやるにしても著作権のことから話すんですよ。後々みんなが嫌な気持ちにならないように。大事だし、そこをちゃんとビジネスと考えてもらいたいし。ビジネス=お金のため云々じゃなくて、「ビジネスのことを考える=相手のことを考える」っていうことだと思ってます。聴く人は、シングルだったら1,000円、アルバムだったら2,000~3,000円払ってみんな買うわけじゃないですか。だったらそれに対する対価を受け取ることも必要。逆に売れなかったら、なんで売れなかったかみんなで考える必要があるし。さらに音楽をよくするために自分の楽曲がどのくらいの人に届いているか、それを考えるために数字を見る、そのための著作権っていうのもあると思うんですよね。もちろん数字が少ないときはつらいですけど。若い人たちは、みんな音楽を純粋に作ってるんで、その人たちの権利を守るっていうのは一番大事なことだと思います。

最後に、音楽を通して今後実現したいことや夢はありますか?

G:音楽をやってどうなりたいかって意外とそんなになくて。これから僕も30代の10年間を過ごしていく中で、今あるものを大事にしながら、まずは自分がアーティストとしてもっと多くの人に楽曲を聴いてもらいたいっていうことを達成することが1つと、あとは、自分よりももっと若い才能を世の中に出していきたい。もちろんこれまでもプロデュース業をやってるんですけど、違った視点で楽曲を作っていきたいと思ってます。で、今レコード業界がどこ行っても、「不景気」っていうじゃないですか。それがすごい嫌だなと思っていて。「不景気、不景気」って言いながらやるんじゃなくて、5年後、10年後を見据えて、子どもたちがもっと夢を持って「自分も音楽家になりたい」っていうエネルギーを持ってもらえる環境を作っておきたいなと思っていて。僕が20歳前ぐらいに業界に入ったときは、まだ音楽業界は元気があったし、僕はすごいこの世界に憧れていたんですよ。今そういう若い人達が業界に入ってきたときに「不景気、不景気」って大人が言ってたら、「どうすればいいの?」って思っちゃう。とにかく若い人たち、子どもたちがもっと楽しく夢を持ってできる環境を作る。そういうのもちょっとずつ考えてやっていきたいなと思ってます。

そういったジョルジョさんの活動をJASRACは著作権管理という側面から支えていきます。今日はありがとうございました。

G:是非今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

(2010年12月公開)

Information

『First Kiss』 So'Fly
UPCH-5671  \1,260(tax in) NOW ON SALE

ヴォーカルTOKOとのR&B/HIP HOPユニット、So'Flyが再始動!
UNIVERSAL J移籍第1弾Single

Present

こちらのアンケートにお答えいただいた方の中から抽選で5名様に、「First Kiss」(So'Fly)のCDにジョルジョさんのサインを入れてプレゼントいたします。

※応募は締め切りました

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